企業向けクラウド型財務・人事アプリケーションプロバイダの米Workdayは米国時間9月26日~9月29日、同社の年次カンファレンス「Workday Rising 2016」を米国シカゴにて開催した。同イベントの大きな特徴は、新機能の発表はもちろん、半年から1年先のリリース予定機能が告知されることと、ユーザー同士の積極的なディスカッションが行われることだ。

今年の参加者数は、昨年から約27%増のおよそ7,000人。日本からの参加者も増え、大小合わせて350以上のセッションが行われた。参加者たちは、各セッションで語られるWorkdayの新機能や製品戦略、ユーザー企業各社の事例紹介に熱心に耳を傾けていた。

場内は参加者でにぎわい、展示ブースにも多くの人が足を運んでいた

ユーザーと共に成長するWorkday

2005年、米国で創業されたWorkdayは、クラウド型サービスとしてヒューマンキャピタルマネジメント(HCM)やファイナンシャルマネジメントといった機能を開発・提供し、欧米を中心に実績を重ねている。

Workday 共同創立者兼会長のデイブ・ダフィールド氏

Workday 共同創設者兼CEO アニール・ブースリ氏

日本では2013年に日本法人を設立し、2015年1月から日本市場に本格参入。今年5月に国内グローバル企業で初めて、日産自動車がクラウド型人事ソリューション「Workday HCM」の導入を発表して話題になったが、そのほかにもファーストリテイリングや日立製作所、ソニーなど大手企業を中心に業績を伸ばしている。

27日に行われた基調講演では、Workday 共同創立者兼会長のデイブ・ダフィールド氏と共同創設者兼CEO アニール・ブースリ氏が登壇。恒例となっている軽妙な掛け合いを見せながら、2017年度の同社の収益予測値が、前年の11億6,000万ドルから約30%増の15億ドルとなることを報告した。

従業員数も6,000人を超え、従業員の働きやすさなどを評価する各種のアワードで「Best Workplace」としてランクインしているという。名だたるIT企業がひしめくシリコンバレーを含む北米エリアで「Top Work Place」として選ばれたのは特筆すべき点だろう。

米経済誌「Fortune」が女性の働きやすさを調査した「100 Best Place for woman」にもランクインしている

また、ダフィールド氏は「上場企業がWorkdayのユーザーとなった場合、私費でその企業の株を購入しているが、同じ期間で計測した場合、ダウ平均株価が約29%の伸び率なのに対し、Workdayのユーザー企業の株は約69%の伸びを見せている」と、Workdayだけでなくそのユーザー企業も業績が好調であることをアピールし、会場から喝采を浴びた。カスタマー調査では、実に97%がWorkdayに対して好意的な回答を寄せたことからも、顧客満足度の高さが伺える。

ダフィールド氏は、Workdayのユーザー企業も業績が好調だとアピール

顧客満足度は毎年高い数値をキープしているという

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