電通国際情報サービス(ISID)は9月26日、工作機器を製造・販売する小松製作所(コマツ)が運用する建機稼働管理システム「KOMTRAX Plus」に、ISIDの知的保全ソリューションが適用されたと発表した。
コマツは、以前から工作機器の故障予知検知や予防保全などの品質向上に注力しており、データサイエンス専任組織を設置し、KOMTRAXから得られる膨大な稼働データを解析してきた。しかし、従来の解析手法は、ノイズの少ない状況下での故障モードなどに用途が限られていたという。
ISIDの知的保全ソリューションは、製品や設備に組み込まれたセンサーやコントローラからの稼働監視データを用いて、動作条件や設置環境などに応じた状態変化を、複数の変数を組み合わせて多面的に分析することにより、従来の手法では検知できなかった故障予測や残寿命期間の予測などを可能とするというもの。2014年に資本・業務提携た米プレディクトロニクスの分析・予測技術を用いている。
コマツは今回、数カ月にわたって過去の実績データを用いた評価検証を行った結果、ISIDのソリューションが従来の解析手法よりも優れた結果を残したため導入を決めたという。
コマツの無人ダンプトラック運行システム「AHS」 |
導入後は、コマツの無人ダンプトラック運行システム「AHS」や、各種建設機械の稼働データ解析に活用する方針。人間の目で発見しづらいわずかな予兆をとらえ、高精度な故障予測に基づくダウンタイムの最小化やオペレーションコストの最適化できることに期待を寄せている。
当初は、鉱山などの野外環境で稼働するダンプトラックの稼働データ解析に適用し、その後さらに適用範囲を拡大していく計画。また、ISIDでは、同ソリューションをマイクロサービス化して提供する方針も明らかにしている。