クリックテック・ジャパンは9月2日、年次イベント「Qlik Visualize Your World Tour 2016」を東京都内にて開催した。今年6回目となる同イベントでは、「データが切り拓くビジネスの可能性」をテーマに掲げ、データ主導ビジネスの最新動向や、BIツールの導入事例紹介など、さまざまなセッションを実施。本稿では、Qlik Technologies 最高財務責任者(CFO)のティム・マッキャリック氏による基調講演の内容をダイジェストでお届けする。
なぜ今、データドリブンなのか?
イベント冒頭、登壇したのは、今年6月にクリックテック・ジャパンのカントリージェネラルマネージャーに就任した藤堂 正憲氏だ。氏は「『データをビジネスに活用する準備ができていますか』という課題提起から始めたい」と口火を切った。
藤堂氏は、30年以上にわたり、外資系IT企業で営業や経営に携わってきた経験を持つ。そのなかで、海外企業に対するライバル心が強く育ったのだという。「グローバル競争に挑む日本企業が、BIの分野で勝つための支援をしたい」(藤堂氏)と強調し、マッキャリック氏にバトンを渡した。
Qlik Technologies 最高財務責任者(CFO)のティム・マッキャリック氏 |
「データと共に暮らし、働き、そしてデータが大好きになって行く」と題されたマッキャリック氏の基調講演では、データドリブンであることの必要性や、データドリブンな組織・文化を構築するための方法について解説がなされた。
「世界には次々に新しいデータソースが生まれています」とマッキャリック氏は説く。
「例えば、2012年、フィリップス ライティングがスマート電球『Philips Hue』を生み出しました。ソニーも、スマートフォンと接続して人間の動きや湿度・温度などを検知できるセンサーを搭載した電球を作っています。もし世界中の電球がデータを生成しているとしたら、非常に興味深い情報源だと言えるでしょう」(マッキャリック氏)
また、氏は毎年約6,000万台の自動車が製造されていること、そして自動車に搭載されたセンサーが1時間ごとに約1.3GBのデータを生成していることを挙げ、「それぞれの車が1日2時間運転されるとすると、1日で約1億5,000万GBのデータが生成されていることになります。ただ、データが多いことではなく、自動車がデータ生成の源になっているのが興味深いポイントです」と語る。こうした新たなデータソースにより、よりタイムリーかつ的確な意志決定が可能になるというのだ。