前回は、仮想環境でUbuntuデスクトップのLiveCD版を使う方法を紹介した。仮想ディスクを作成する必要がないので、「とりあえず試してみたい」といったときには便利だろう。LiveCD版を試してみて、もう少しちゃんと使ってみようかなと思ったら、仮想環境の仮想ディスクにインストールしてみるとよい。スペックにもよるが、最近の機種ならネイティブ環境で動いているのか仮想環境で動いているのか、意識することもないはずだ。
仮想環境へUbuntuをインストールしてみよう
仮想化アプリケーション「VirtualBox」のインストールと、Ubuntuインストールのためのセットアップについては、前回の記事を参考にしてほしい。セットアップで前回と異なるのは、仮想ディスクを新規で作成することくらいだ。しばらく試す程度であれば、仮想ディスク領域は20GBも取っておけばよいだろう。
インストールについて少し説明しておこう。インストーラが起動したら、左側にある言語一覧から「日本語」を選択し、右側にある「Ubuntuをインストール」ボタンをクリックする。
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左側にある言語一覧から「日本語」を選択し、右側にある「Ubuntuをインストール」ボタンをクリック |
インストール作業の途中で困ることは特にないと思う。Ubuntuのインストーラは、実によくできている。
インストールが完了したら、仮想環境を再起動する。もしISOインストーライメージからシステムが起動してくるようなら、いったん設定に戻り、取り付けたISOイメージファイルを外してから仮想環境を起動すればよい。
オススメは、適材適所での「使い分け」
開発者であればUbuntuとWindows、MacとUbuntuとWindowsといったように複数のOSを同時に使うこともそれほど珍しくはない。仮想環境でそれぞれのOSをフルスクリーンで実行しておくと、画面を左右に切り替えるだけで、まるでOSが切り替わったかのような使用感で利用できる。
例えば、次の2つの画像は、MacBook Proで動作しているOS Xと、その上の仮想環境で動作しているUbuntuのスクリーンショットだ。
4本指でタッチパッドを左右にスワイプすると、OS Xとフルスクリーン状態のUbuntuの画面を行ったり来たりする。まるで2つのPCを切り替えて使っているように見える使い方だ。
Windowsでは、Windows 10から似たようなことを実現できる。Windows 7などでも、アプリをインストールして設定すると似たような動作が可能だし、デフォルトのままでもショートカットを設定すれば同じようなことができる。
仮想環境にUbuntuデスクトップをインストールしたら、まずはパッケージ管理システムを使ってみよう。Windowsでは、アプリケーションが必要になったら、そのプロジェクトのサイトに行ったり、プロダクトを購入・インストールして利用するのが一般的だが、Ubuntuでは数万のアプリケーション一覧から対象を選んでインストールする仕組みになっている。
パッケージからアプリケーションをインストールする例 |
これまで、WindowsにUNIX由来のアプリケーションをインストールして利用していたのであれば、それらを全部Ubuntuでインストールして使ってみていただきたい。インストールもアップデートも簡単だし、UI/UXもUbuntuの環境とよく馴染むことがおわかりいただけるはずだ。
最近のPCに搭載されているプロセッサは、ほとんどの場合、仮想化支援機能を搭載している。無理に1つのOSにいろいろ詰め込むのではなく、適材適所でOSに合ったアプリケーションをインストールして利用すればよいと思う。
「Windows 10 Anniversary Update」でUbuntuをネイティブにWindows 10で利用できるようになったが、GUI系に関してはまだ対応がイマイチな状況だ。GUI/UXを含めて利用するなら、1度仮想環境にUbuntuをインストールして試してみるとよいだろう。