8月2日、日本エイサーが法人向け2-in-1型Windows PCとWindows 10 Mobileスマートフォンの新製品を発表し、国内向けに展開することを明らかにした。
日本エイサーは「生産性」をコンセプトに掲げており、日本マイクロソフトなどが推進する「ワークスタイル変革」に最適なデバイスと位置付けている。この視点から、最新Windowsデバイスの特徴を見ていこう。
ファンレスながらCore i搭載の「Switch Alpha 12」
「Switch Alpha 12」は、12型ディスプレイ搭載のタブレットと薄型キーボードを組み合わせて使う2-in-1型PCだ。本体にスタンドを内蔵した、Surface型のデザインを採用する。
Switch Alpha 12の特徴は「高性能と静音性の両立」。多くの2-in-1型PCでこの2つはトレードオフの関係にあるため、日本エイサーはこのメリットを高く強調する。
高性能を求めるのであれば、「Core i」シリーズのCPUが望ましい。だが、発熱が大きくなるために、高速回転する冷却ファンの搭載が必要不可欠となる。一方で発熱の少ない「Core M」シリーズのCPUであればファンレスの設計も可能だが、処理速度は限定的になるというジレンマがあった。
そこでエイサーが採用したのが「液冷」だ。「冷却液」を循環させて排熱するシステムとなり、特許も取得済みだという。
日本エイサーによれば騒音レベルは「17.1dBA」となり、ほとんど動作音が聞こえないほどの静音性を実現する。静かなオフィスや図書館などで作業する際にも、周囲に気を遣うことなくCPUを酷使できるのがメリットだ。
日本初の有線Continuumを目指すスマートフォン「Liquid Jade Primo」
「Liquid Jade Primo」は、5.5型画面のハイエンドWindows 10 Mobileスマートフォンだ。日本で初めて、有線接続によるContinuum機能の実現を狙うモデルになる。
マイクロソフト以外のサードパーティ製デバイスとしては初めて、クアルコム製のハイエンドCPU「Snapdragon 808」を搭載。いま、日本市場で主流となっているミドルレンジクラスのWindows 10 Mobileスマートフォンとは一線を画した高性能が特徴だ。
最大の特徴は、有線接続によるContinuum機能に対応する点だ。同梱のUSB Type-Cドックを介して、ディスプレイにHDMIで接続し、USB接続のキーボードやマウスも利用できる。無線接続のContinuum特有の遅延がないという意味では、Continuumのポテンシャルを最大限に引き出せるのが有線接続の優位性だろう。
薄型軽量な本体が魅力、ただしLTEバンド19には非対応
Liquid Jade Primoは、Windows 10 Mobileとして魅力的なスペックを誇る。例えば、5.5型・フルHDのディスプレイは有機ELを採用しており、ひと目見て分かるほどに鮮やかだ。また、大画面のスマートフォンでありながら薄型軽量という点でも優れている。厚さは8.4mmと薄く、重量は150gで手に取ってみると見た目よりも軽く感じる。
国内発売にあたって気になるのは、端末のバンド対応だろう。LTEではバンド1/3/7/20、3Gはバンド1/2/5/8に対応している。NTTドコモやドコモ系MVNOで利用する場合、LTEの場合はカバーエリアの広いバンド1と、東名阪地域で利用できるバンド3が対応している。一方で、山間部などのカバーに利用されているバンド19は非対応だ。こうした地域での利用ニーズがあることも日本エイサーでは把握しており、「今後の機種では検討したい」と説明している。
価格については、想定が10万円(税別)となっており、USB Type-Cドックとワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウスを同梱する。ただ、米国では同様のパッケージが649ドルで販売されており、割高感は否めないところだ。
Liquid Jade Primoの発売日は8月25日。これに対して、同じハイエンドのWindows 10 Mobileとしてライバルになりそうな日本HPの「HP Elite x3」は今夏の発売を予定している。夏から秋にかけては、日本国内でもハイエンドWindows 10 Mobileが盛り上がることになりそうだ。