WEIC代表取締役社長 内山雄輝氏

新理事長に就任したWEIC代表取締役社長 内山雄輝氏

MIJS(Made In Japan Software & Service)コンソーシアムは4月4日、第1回MIJS Japan Tech Valley Summitを開催した。MIJSは、「日本発のソフトウェアを世界へ」という理念の下、国内ソフトウェアベンダーが集い、2006年8月に結成された業界団体である。イベント冒頭では、新理事長に就任したWEIC代表取締役社長 内山雄輝氏が「JAPAN Tech Valleyプロジェクト」の構想について熱弁を振るった。

「業界の改革を目指して10年間走ってきたMIJSですが、1つの区切りとして成果を出し尽くしてしまった感があります。単なる連携や育成だけでなく、今日本に必要な成長イノベーションを創出するために、MIJSが日本のために何かできないかと考えました」(内山氏)

JAPAN Tech Valleyプロジェクトでは、企業を成長させる発掘/連携/育成のサイクルを確立させるとともに、人/金/技術に関連する5つの委員会活動を行っていくという。詳細については、こちらの記事を参照されたい。

内山氏は、「MIJSは世界を目指す、世界で勝つ企業のためのビジネスプラットフォームとなります。勝ちたい、No.1でありたい。そんな想いでMIJSを引っ張って行きます。ぜひご参加ください」と会場に呼びかけ、発表を締めくくった。

各企業のトップ経営陣が振り返る”あの頃”のMIJS

サイボウズ 代表取締役社長 青野 慶久氏

サイボウズ 代表取締役社長 青野 慶久氏

続いて行われたパネルディスカッションには、内山氏に加え、MIJSの常務理事であるウイングアーク1st 代表取締役社長 内野 弘幸氏、システムインテグレータ 代表取締役社長 梅田 弘之氏、サイボウズ 代表取締役社長 青野 慶久氏、セゾン情報システムズ 常務&テクノベーションセンター長 小野 和俊氏、東洋ビジネスエンジニアリング 常務取締役 CMO/CTO 羽田 雅一氏ら5名が登壇。内野氏をモデレーターに、MIJSのこれまでの軌跡を振り返るとともに、JAPAN Tech Valleyプロジェクトを掲げた今後の活動に向けた想いが語り合われた。

そもそもMIJSは、「日本のパッケージ製品がなかなか海外製品に勝てないので、皆で力を合わせて勝負しよう」というシンプルな発想から始まったのだという。最初の企画書を作ったのは梅田氏だ。

当時さまざまな業界団体はあったが、現場の担当者がお互いに情報交換するスタイルのものが多く、経営者がコミットしている団体は少なかった。そうした意味で、MIJSはやや特殊だったと言えるだろう。社長に就任して1年あまりで参加した青野氏は、「経営者の『け』の字もわかっていない頃だったので、ソフトウェア業界に長くいる経営者と直接話せるのは貴重な機会でした」と語る。

セゾン情報システムズ 常務&テクノベーションセンター長 小野 和俊氏

セゾン情報システムズ 常務&テクノベーションセンター長 小野 和俊氏

また、小野氏はこう振り返る。

「当時、データ連携製品を開発していたのですが、MIJSができたことで『日本の製品同士がつながらない』ということが改めて浮き彫りになりました。海外のパッケージ製品同士はつながるインタフェースがあるのに、日本の製品同士のほうがむしろつながらない。そういうことに危機感を抱いていた折のMIJS設立だったので、非常にやりがいを感じたのを覚えています」

そんなMIJSの活動の1つとして、2007年にはパッケージ製品のベンチャー企業に向けて「アーリーステージ会員」という制度が作られた。

アーリーステージ会員はMIJSでプレゼンテーションを行うことで、アドバイスをもらったり、支援を受けたりすることができる。そこで成果を上げたのが内山氏なのだという。

システムインテグレータ 代表取締役社長 梅田 弘之氏

システムインテグレータ 代表取締役社長 梅田 弘之氏

「2006年ごろ、ちょうど会社がつぶれそうだったので、藁をもつかむ思いでプレゼンテーションの場に行きました。私たちはeラーニング製品を提供していたのですが、『面白いね』と言ってもらえて次につなぐことができたんです。あの時、26歳くらいだったんじゃないかと思います」(内山氏)

内野氏が「内山さんは本当にプレゼンテーションがうまかったですね。いろいろなところから上手に資金を集められました。うちも出しちゃいましたし」と褒めると、梅田氏が「扱われていたのが中国語のeラーニングで、最初は何だかインチキ臭いな、なんて思ったんですが、実際に使わせてもらったらペラペラになれたので感謝しています、尊敬してます!」と後に続き、会場の笑いを誘った。

>> 設立から10年を経た今、MIJSに問われる存在意義