前々回・前回と2回続けて、会社のシステム部門に勤務している鈴木一郎君がTechNet Onlineで公開されている製品ドキュメント群を活用する様子について取り上げてきた。これらを使って円滑に仮想化環境の導入を実現できればよいのだが、ユーザーによって、置かれている環境は千差万別・多種多様。ときには、何かトラブルに見舞われてしまうこともあるだろう。

また、特定のテーマについてきちんと勉強してみたい、という場面も考えられる。今回は、そうした場面で役に立つTechNet Onlineのコンテンツを紹介しよう。

「三人寄れば文殊の知恵?」のユーザー・コミュニティ

TechNet Onlineには、コミュニティというコンテンツがある。早い話が、マイクロソフトの社員とユーザー、あるいはユーザー同士がコミュニケートするためのコーナーだ。その中でも中核といえるのが、フォーラム機能だろう。要するにこれは、電子掲示板だと思えばよい。

TechNet Onlineで画面上部に表示されているコンテンツの分類一覧に、コミュニティ がある。それをクリックすると、フォーラムや、マイクロソフトの社員が開設しているblogなどへのリンクがまとめられている。

「仮想化TechCenter」のコミュニティサイト。フォーラムや社員blogといったものが中心になっているようだ

鈴木一郎君は目下、Hyper-Vを扱っているところだ。だから、もっとも興味がある分野もHyper-Vのフォーラムということになる。そこで、[Hyper-V フォーラムに参加する]をクリックしてみた。すると、Hyper-Vフォーラムに開設されているスレッド一覧を表示する。

TechNet Onlineのフォーラムだからといって、何か突飛なつくりをしているわけではない。よくある電子掲示板と同様、テーマごとにスレッドが立てられており、ユーザー同士でやりとりできるようになっている。なお、投稿されたスレッドの内容を見るだけなら誰でも行えるが、既存のスレッドに返信したり、新しくスレッドを立てたりするには、Windows Live IDが必要になる。

TechNet Onlineのフォーラムで面白いのは、RSSフィードが設定されている点だろう。これを活用すれば、新着情報の把握が容易になる。また、検索機能を使って既存のスレッドを検索すれば、よく分からないで重複スレッドを立ててしまう事態も避けやすい。たとえば、仮想ネットワーク機能についてよく分からないことがあれば、「仮想ネットワーク」とキーワードを指定してスレッド検索を行えばよい。

Hyper-Vフォーラムのスレッド一覧表示例。閲覧だけなら自由にできるが、投稿にはWindows Live IDが必要。RSS配信も利用できる

なお、対象をHyper-Vに限定しない場合、Virtualization フォーラムもある。ここでは、仮想化テクノロジー全般、Virtual PC、App-Vも守備範囲に入ってくる。自分が知りたいテーマによってはHyper-Vに限定せず、こちらから調べてみるのも手だ。

評価版などをダウンロードしたり、関連情報を探したり

TechNet Onlineで画面上部に表示されているコンテンツの分類一覧に、[ダウンロード]がある。仮想化TechCenterにアクセスしている状態でそれをクリックすると、[仮想化のダウンロード]に移動する

ここでは、マイクロソフトの仮想化製品に関連する、更新プログラムや評価版のダウンロードが可能だ。セキュリティ対策、あるいはバグ対策を遅滞なく実現するには最新の更新プログラムに目を光らせておく必要があるが、TechNet Onlineでは製品情報や製品ドキュメントだけでなく、ダウンロードの機能もひとまとめにされているので、アクセスしやすい。

なお、人気が高いダウンロードについては、TechCenterの画面右寄りにリンクがまとめられており、そこから直接飛ぶこともできる

TechNet Onlineでは、TechCenterごとにダウンロードのコーナーがあり、関連する製品、体験版、更新プログラムなどをダウンロードしやすいようになっている

そのTechCenterでは、画面左下の[関連サイト]にある[Virtual PC製品サイト]をクリックすると、Virtual PCの製品情報にアクセスできる。CPUがシステム要件を満たしていない場合、あるいはWindows XPやWindows Vistaが動作するコンピュータで仮想化を試すには、Virtual PCが必要になるので、そんなときには参照してみたい。

ちなみに、Virtual PCで作った仮想ディスクファイル(*.VHDファイル)をHyper-Vに持って行って稼働させる使い方も可能なので、Hyper-V導入前に仮想環境の体験用としてVirtual PCを利用する使い方も考えられる。

なお、同じ関連サイト]から、英語のTechCenterにもアクセスできるので、興味があればアクセスしてみよう。日本語版への翻訳が間に合っていない最新情報があるかも知れないからだ。

イベント情報でセミナー開催情報をチェック

仮想化TechCenterのメイン画面右寄りにある[イベント情報]も要チェックだ。セミナーなどの情報がここに掲載されているからだ。Hyper-Vに限ったことではないが、製品について筋道立てて学習したいというときには、セミナーに出席してプロの講師に教わる手もある。そんなときには、ここでセミナー開催情報を調べてみよう。

また、画面上部に表示されているコンテンツの分類一覧で[ラーニング]をクリックすると、トレーニングプログラム、認定試験、関連書籍、バーチャルラボといった、学習に関連する情報にアクセスできるので、こちらも活用したい。

[ラーニング]をクリックすると、学習・トレーニング関連の情報がまとめられたページを表示する。認定試験や書籍関連の情報もここだ

いきなり書店に行って書籍を探してもよいのだが、お望み通りの書籍がパッと見つかるとは限らない。先にTechNet Onlineで「どんな関連書籍があるんだろう?」と調べて当たりをつけておけば、書店に行ってから右往左往しなくて済むし、書店で見つからなければ通販で手に入れることだってできる。

TechNet Onlineに特徴的な学習サポート機能として、バーチャルラボがある。ただし2009年9月の時点で、Hyper-Vに関連するバーチャルラボはないようだ(Windows Server 2008のバーチャルラボはあるが)。そのため、バーチャルラボについては別途、機会があれば取り上げてみることにしたい。