前回に引き続き、マイクロソフトが用意しているデスクトップ展開ソリューションについて見ていくことにしよう。まずは、Windows Serverが備えるデスクトップ展開のための機能についてだ。

イメージングに関する情報、RISとWDS

イメージ展開に関連する情報へのリンクは、先週に取り上げた「デスクトップ展開 TechCenter」にあるタスク一覧のうち、「イメージング」以下にまとめられている。

デスクトップ展開 TechCenter

http://technet.microsoft.com/ja-jp/desktopdeployment/default.aspx

イメージング

http://technet.microsoft.com/ja-jp/desktopdeployment/default.aspx#img

(前回にも掲載しているが)「デスクトップ展開 TechCenter」のメイン画面。下の方にスクロールしていくと、タスク一覧の中に「イメージング」という項目がある

ただし、ここからリンクされている「主な手順」以下の作業内容は、Windows XPとOffice 2003を前提としているように見受けられる。これらの組み合わせについては、「TechNet Deployment Center」からアプローチする方法もある。

TechNet Deployment Center

http://technet.microsoft.com/ja-jp/desktopdeployment/dd285711.aspx

たとえばWindows XPとWindows Server 2003の組み合わせであれば、Windows Server 2003が備えるRIS(Remote Install Service)を利用することで、セットアップ済みハードディスクのイメージを展開する方法を利用できるようになる。

RISでクライアントPCにイメージを複製する際には、クライアントPCがネットワークブートを行う方法と、起動用のフロッピーディスクを使用する方法がある。どちらにしてもDHCPサーバは必要だが、前者の場合にはさらにネットワークブートが可能なLANアダプタ、後者の場合にはフロッピーディスクドライブが必要になる。状況に応じて、どちらか一方を選択することになる。

RISの後継機能として、Windows Server 2008にはWindows展開サービス(WDS : Windows Deployment Service)がある。こちらは、デスクトップ展開センターにあるタスク一覧のうち、「展開プロセス」以下からリンクされている。

展開プロセス

http://technet.microsoft.com/ja-jp/desktopdeployment/default.aspx#dply

Windows展開サービス

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc546607.aspx

サーバOSとクライアントOSの世代対応を考慮すると、基本的には「Windows Server 2003 + RIS + Windows XP」、あるいは「Windows Server2008 + WDS + Windows Vista/7」という組み合わせで考えればよいだろう。

Windows 7の展開に関する情報源

なお、Windows XPとWindows 7では、セットアップの手順も動作内容もまったく異なる。そのため、Windows 7をクライアントPCに導入するのであれば、以下の記事も参考になりそうだ。

Windows 7 と System Center Configuration Manager 2007: あなたの Windows Server 7 展開ガイド

http://technet.microsoft.com/ja-jp/magazine/ee676738.aspx

これは、マイクロソフト自身の事例を引き合いに出しながら、Windows 7への移行を図るためのノウハウについてまとめた記事だ。その際に使用するツールとして、System Center Configuration Manager 2007が備えるOSD(Operating System Deployment)が挙げられている。

なお、展開とは直接関係ないが、初めてWindows 7の導入に取り組むのであれば、以下のTechNetマガジンの記事に目を通しておくと良いだろう。

Windows 7: Windows 7に対して最初に行うべき10の事柄

http://technet.microsoft.com/ja-jp/magazine/ee518862.aspx

TechNetマガジンでも、Windows 7の展開について特集した記事を用意しているので、参考にしたい

その他の関連情報

このほか、イメージ展開などのセットアップ作業に関連する情報として、Windows PEやSysPrepツールがある。

Windows PEとは、Windows XPをベースとするWindowsカーネルの最小構成で、セットアッププログラムを実行する等の場面で利用するものだ。

一方、SysPrepは、イメージ展開によって複製したWindowsを初期状態に戻して、Windows自身のSID(Security Identifier)を初めとする固有のパラメータを再設定する等の場面で利用する。いずれも、タスク一覧のうち「イメージング」以下からリンクされている。

イメージング

http://technet.microsoft.com/ja-jp/desktopdeployment/default.aspx#img

Windows プレインストール環境(Windows PE)

http://technet.microsoft.com/ja-jp/desktopdeployment/bb407543.aspx

Windows システム準備ツール(SysPrep)

http://technet.microsoft.com/ja-jp/desktopdeployment/bb407542.aspx

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