サポートに電話がつながるまでの待ち時間が以前の3倍、レストランでメニューが出てくるまで長く待たされる……米国で今、接客やカスタマーサービスの劣化が大きな問題の1つになっている。
今年に入って主要47産業を対象とした顧客満足度のスコアが、過去20年間で最低に落ち込んでいる。複合的な要因によるものだが、中でも大きな原因が人手不足である。人手不足が賃金を押し上げ、より良い条件を求めた転職が繰り返される。労働者が定着しないから、その仕事のスキルを高める労働者が減少するばかり。人手不足でトレーニングの時間を十分に確保できず、人手不足で働く働き手の負担増も重なって、結果カスタマーサービスや接客が悪くなっている。実際のところ、これはカスタマーサービスや接客だけの問題ではなく、非農業部門全体の労働生産性が今年に入って急速に低下しているのだ。