本連載ではこれまでビデオ会議システムをとりまく市場環境や、StarLeafの特徴について紹介してきた。連載の最後となる今回は、利用イメージをお伝えするために、実際にStarLeafを使ってビデオ会議を行った際のレポートをお伝えしよう。

簡単な接続操作 - スマホ感覚の手軽さ

はじめに今回のレビュー環境を紹介しておこう。

筆者が体験したのは「PT mini」。使用した場所は東京都内にあるメディアプラス社の会議室である。接続先となる遠隔地は同社スタッフの帰省先である青森県で、現地のインターネット接続環境は光ファイバによるブロードバンドだ。

接続操作だが、前回も紹介したように、StarLeaf Phoneのディスプレイに表示された電話帳をタップするだけで登録済みの相手につながる。呼び出した相手が応答すれば、映像が表示されてビデオ会議を始められる。スマートフォンを利用する手軽な感覚で使えるビデオ会議システムだ。

StarLeaf Phoneのディスプレイに表示された電話帳をタップするだけで登録済みの相手に接続できる。応答する場合も同じ。StarLeaf Phoneの呼び出し音が鳴るので、受話器を取るかディプレイのボタンをタップすればよい

ユーザーは、電話をかける・受ける操作さえできれば、StarLeafのビデオ会議システムは利用できるわけだ。

電話を受ける要領で着信。すぐにビデオ会議が始まる

十分な画質と音声 - 画面上での資料共有も可能

映像と音声の品質だが、会話にはまったく問題ないものだった。

青森側のエンドポイントとしては、今回はBreezeとPT Liteを交互に使用する形となった。

PCに接続したカメラのほうがiPadのカメラよりも高性能だったため、Breezeで接続した映像の方がきれいだったが、短時間で比較したために違いが顕著に見えただけで、実用としては十分満足な画質だった。

映像にはPCの画面を差し込むこともできるので、資料の内容などを共有することもできる。実際に、青森側からPCを操作してもらい、PowerPointの資料を使ったプレゼンテーションを行ってもらったのだが、手元のPCの画面をモニタに映しているのと同じ感覚だった。

PCの画面を相手側の画面に表示したところ(今回は青森側のPC画面を東京の会議室側の画面上に表示)

セットアップも簡単 - シンプルな管理インタフェース

StarLeafの運用を始める際のセットアップもシンプルで簡単だ。

StarLeafを導入すると管理者用のパスワードが発行されるので、管理用のWebアプリで利用できるユーザーを登録する。基本的に、管理者が行うセットアップ作業はこれだけだ。なお、以下のセットアップ画面は今後変更されることもあるが、おおまかな雰囲気はつかめるだろう。

PCの管理者用Webアプリのログイン画面。管理者の電子メールアドレスとパスワードを入力するとサインインできる

ユーザーの一覧画面(この画面でユーザーを登録できる)

ユーザーの詳細な設定画面。ここで登録すると、ユーザーに12桁のライセンスキーが発行され、登録した電子メールアドレス宛に送られる。また、デスクトップ向製品ユーザーのBreeze使用有無についての設定もできる

StarLeaf Phoneの設定 - 帯域に応じて画質/音質を自動調整

管理画面でクラウド上にユーザー登録されるとStarLeaf Phoneに対して12桁のライセンスキーが発行される。ユーザーはこれを入力するだけで使用可能となる。その際、StarLeaf Phoneはクラウド側と通信し、使用しているネットワーク環境に適した画質・音質に自動的に調整され、すぐに使用開始できる状態になる。

StarLeaf Phoneのセットアップ画面。ここでクラウド経由で発行された12桁のライセンスキーを入力する

PC/Mac/iPad向けソリューション「Breeze」の接続設定

Breezeの場合は、管理画面に登録した電子メールアドレスとBreeze接続用のパスワードを入力すると、StarLeaf Phoneと同じ画面が表示される仕組みだ。

Breezeのログイン画面

Breezeでクラウドにログインすると表示される画面。StarLeaf Phoneの画面と同じインタフェースなので、違和感なく操作できる

配線も容易 - 回線のほかに必要なのはUSB&HDMIケーブルのみ

操作方法を先に説明してしまったが、配線も簡単だ。デスクトップ向製品は、StarLeaf PhoneをインターネットにLANケーブルで接続する。あとは製品ごとにStarLeaf PhoneとUSBケーブルで接続し、モニタやカメラをHDMIケーブルやUSBケーブルで接続するだけだ。

PC向けのBreezeの場合、専用ソフトをインストールしインターネットに接続すればOKだ。回線は速いにこしたことはないが、必ずしもFTTHである必要はない。LTEやWiMAXなどの通信回線などを使用してもよい。実際に、メディアプラス社が地方のイベントでデモを行った際は、WiMAXを利用してビデオ会議を実現したそうだ。

設置だけでなく保守も容易 - 専門のIT担当者不在でもOK

このように、StarLeafは驚くほど設置導入が容易だ。専門の技術者が不要なので、IT専任の人員を割くことができない中小企業でも導入しやすいはずだ。

また、クラウドサービスとして提供されているため、MCUやサーバ類の導入設置が容易なだけではなく、保守管理という概念も必要ない。ソフトウェアのアップデートもクラウド側で行われる。ユーザーは「サービスを利用するだけ」でよく、ほぼメンテナンスフリーを実現している。

実際に使ってみてわかるStarLeafの手軽さ

ビデオ会議システムの良さは、実際に使ってみないと実感できない部分も多々ある。そのため、実際にビデオ会議システムを試す機会を得たわけだが、StarLeafがユーザーにとって導入の敷居が低く、使いやすいシステムであることが伝わっただろうか?

StarLeafは、数ライセンス~といったスモールスタートも可能なので、まずはトライアルで使用してみるのもいいだろう。遠隔地とのビデオ会議システムの導入を考えている企業があれば、ぜひ選択肢の1つとして加えていただきたい。