SOLIDWORKSには作成した3次元モデルを動かすアニメーションを定義する機能が搭載されています。モデルを回転させたり移動するといったシンプルな動きだけでなく、モデルの分解工程を再現したアニメーションやアセンブリモデルを実際の製品のように動かした様子まで、用途に応じた動画を作成できます。AVIなどの動画ファイルとして出力できるため、社内レビューやプレゼンテーションに活用できます。
モデルの詳細を確認するアニメーション
分解図
アセンブリの分解図機能では各構成部品を動かして分解状態を再現し、分解工程をアニメーションで再生できます。「分解図」で定義されたステップ順に各部品を移動/回転させ、アセンブリを分解していく工程を表現します。逆再生すると組立工程を表すアニメーションとして出力できるため、明確にモデルの分解と分解解除の様子を確認できます。
ウォークスルー
動くカメラ視点でモデルをスケッチで定義したパスに沿って再生できます。大規模な製品の設計中に実際にその製品を設置したとき、どのように見えるかなどシミュレーションできます。
キーフレームでモデルの駆動を制御
SOLIDWORKSでは3次元モデルを基に一定の動きを定義してグラフィック上でシミュレーションする「モーションスタディ」によりアニメーションを作成できます。「モーションスタディ」ではタイムライン上のキーポイントに各要素の時間ごとの変化を制御しアニメーションを定義します。制御できる要素は次になります。
- 部品の移動/回転
- 表示方向、カメラ・シーン・照明の設定
- 表示スタイル・外観、合致 など
合致条件に応じた自由度でアセンブリを駆動
「アニメーション」では合致条件に応じて、モデルが駆動する動きをキーポイントに記録しアニメーションを作成できます。マウス操作によるモデルを移動して動きを再現するほか、「モーター」設定により回転やリニア(並進)の動きを定義することもできます。
また、「アニメーション」機能の一つである「Animation Wizard」ではモデルの移動や回転、分解の様子などを再現するアニメーションをウイザード形式に設定するだけで簡単に作成できます。
モデル同士の衝突を考慮
ベーシックモーション
「ベーシックモーション」、「モーション解析」では部品同士の衝突による影響を考慮する設定を定義できます。
接触 | 部品同士の衝突による影響を考慮 |
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重力 | モデルの重量による影響を再現 | ばね | スプリングによる作用・反作用を再現 |
モーション解析
「モーション解析」ではさらに次のような設定を定義し、アニメーションを作成できます。
力 | モデル上に生じる外力を設定 |
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ダンパー | 減衰力の設定 |
接触 | 接触による摩擦の影響を考慮した構造解析が行える。 |
またSOLIDWORKS Simulationの機能を併用し、アセンブリ機構時に発生する負荷を再現し応力を計算する連成解析を行い、発生する応力の様子含めたアニメーションを作成できます。
各種解析ツール、SOLIDWORKS Composerによるアニメーション
SOLIDWORKSのモデルを駆動させる以外にもアニメーション動画を出力させる機能が存在します。
SOLIDWORKS Simulation | 構造解析の計算結果プロット表示ができる。 |
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SOLIDWORKS FlowSimulation | 行った流体解析の結果として流跡線などのプロット表示をアニメーションとして出力できる。 |
SOLIDWORKS Composer | 3次元データを基に画像、アニメーションなどを作成するオーサリングツール。読み込んだCADデータの表示状態や移動/回転などで定義した表示状態を自由に「ビュー」として作成できるほか、作成したビューやモデルの移動の変化をタイムラインに記録し、簡単にアニメーションを作成できる。 |
SOLIDWORKS Simulation:構造解析による応力・変位・安全率等の計算結果プロットをアニメーションとして出力 |
SOLIDWORKS Flow Simulation:流動解析による計算結果として流跡線プロットをアニメーションとして出力 |
(本稿はCAD Japan.comより提供を受けた記事を編集したものです。)