3次元CADによる設計では1つの部品・製品を構築するため複数のフィーチャー・構成部品を組み合わせていきます。直接製品形状を描いていく2次元設計とは異なり、さまざまなスケッチ・フィーチャーに変更を加えながら試行錯誤し、設計を進めていくため難しいとお考えの方も多いかと思います。しかし、SOLIDWORKSには設計上必要となる編集操作を効率的に行うための機能が搭載されており、手間を掛けずに編集・修正ができます。
SWIFT機能による設計中のCAD操作サポート
SOLIDWORKSには設計中の問題を自動で診断、解決し設計者の作業をサポートするSWIFT機能(SOLIDWORKS Intelligent Feature Technology)が搭載されています。CAD上の問題により時間のかかってしまう作業を自動化できるため、本来の設計業務に集中できる環境を提供します。CADに慣れていないユーザもエキスパートと同様にSOLIDWORKSを使用できます。
・DraftXpert
「DraftXpert」はフィーチャー作成時に生じる問題を計算し、効果的な作成法を自動で導きだし追加します。
・FilletXpert
「FeatureXpert」は既存のフィレット・抜き勾配に対してフィーチャー編集の操作を行わなくても変更したい要素を選択、数値を指定するだけで直接形状を変更することができるため、より簡単に編集作業を進められます。
設計中の情報確認・矛盾解決をXpert機能によりサポート
・AssemblyXpert
アセンブリ上で使用できる「AssemblyXpert」は次のようなアセンブリに関する情報を把握できます。
- 部品数・ユニーク部品数
- 旧バージョンデータの有無
- パフォーマンスを改善する設定の提案
- 各構成部品に必要な再構築時間など
・MateXpert
アセンブリ設計中に各構成部品間で定義する「合致」により矛盾が生じた場合、SWIFT機能「MateXpert」により原因となる要素の検出をサポートし、解決へと導くことができます。アセンブリ内で矛盾が生じている合致要素や未解決の合致要素を一覧表示し、合致条件を変更や抑制することで矛盾の原因特定を促します。
・合致表示による合致関係の視覚化
構成部品ごとに合致情報を視覚的に表示し状態を把握しやすく表示するため、詳細に確認することもできます。
スケッチ上の拘束を修正する「SketchXpert」
スケッチ上では各エンティティに定義する寸法、拘束上に矛盾が生じた場合、色で表示され視覚的に矛盾の状態を把握できます。「SketchXpert」では拘束上の矛盾原因となる要素を自動で診断し、矛盾解決のための複数のパターンを自動で計算します。ユーザは解決パターンの中から任意の解決法を選択、実行するだけでスケッチを修正できるため、問題解決に時間を割くことなく作業を進められます。
また、スケッチに対してフィーチャーを作成する上で問題ないかどうかを「スケッチチェック」機能により自動で検証し、問題がある場合「スケッチ修復」機能により問題箇所を拡大表示し容易に修復できます。
効率的なスケッチ作成を可能にする各種機能
フィーチャーの基となるスケッチ作成作業では作図と同時に寸法定義できるようオプションにより切り替えができます。スケッチ形状を作図しながら即座に寸法を入力できるため、ツールの切り替えやエンティティの選択の手順を踏むことなくスケッチ定義ができます。未定義のスケッチに対して「スケッチの完全定義」機能を使用することで、完全定義になるよう拘束・寸法を自動で追加することもできます。
そのほかにもエッジに沿って輪郭を閉じる機能やスケッチの移動、回転、スケール変更機能、座標方向を変更する機能など、さまざまな機能によりスケッチへ変更を加えることができます。
(本稿はCAD Japan.comより提供を受けた記事を編集したものです。)