SOLIDWORKSには標準的なモデリング機能や図面作成機能の他、様々な機能が搭載されています。しかし、主な機能として、構造解析ツールであるSOLIDWORKS Simulation や配管設計ツールであるSOLIDWORKS Routing等の主要な機能ばかりが注目され、その他の機能について詳細な内容を知らない方が多いかと思います。
でも実は…SOLIDWORKSにはその他にも便利な機能が搭載されているのです!!!
- データの比較・分析
- 規格チェック
- 品質チェック
- プロパティ入力
- タスク自動処理
- 設定内容コピー
- データ閲覧
- 自己診断ツール
データ間の形状・構成を簡単比較~ SOLIDWORKS Utilities ~
SOLIDWORKS Utilitiesは2つのファイル間を比較するツールです。同ファイルのバージョン違いなど類似形状をした2つのファイルを同時に読み込み、形状やフィーチャー・プロパティなどを比較して異なる点を出力することが可能です。
これは、ファイルに対して行われた変更内容や詳細な差異を把握するのに有効です。また部品に対して形状の簡略化や形状変更、データ品質のチェック等の様々な機能が搭載されています。
SOLIDWORKSファイルに設定された規格をチェック~ Design Checker ~
SOLIDWORKSファイルのドキュメントプロパティでは、JISやISOなど一般的な規格に加え、ユーザー定義設定として寸法やアノテートアイテムのフォント・スタイルを設定することが可能です。
Design Checkerは、対象のドキュメントが企業やグループのルールに則った規格設定で使用されているかを確認するツールです。設定内容のほか、スケッチやフィーチャーに対するエラーの有無やプロパティ情報、材料等、様々な項目のチェックに対応しています。
比較対象となる標準規格を作成し、ドキュメントと比較することで異なる点を検出・自動修正することが可能です。
SOLIDWORKSのタスクをスケジュールして自動処理~ タスクスケジューラー ~
タスクスケジューラーはSOLIDWORKSのタスクをスケジューリングして実行することができるツールです。
SOLIDWORKSを使用した処理の中で、計算や処理に時間を要する作業を行う場合、その間PCが使用できなくなることから業務時間を削られてしまう懸念がありました。しかし、タスクスケジューラーを用いてそれらの処理を業務時間外にスケジューリングすることで、PCを使用しない間に自動処理することができます。
旧ファイルのマイグレーションや大規模ファイルの再構築、印刷やインポート・エクスポート、解析等、処理に時間を要する作業を任意の日時にスケジュールし、効率的に実行することが可能です。
・タスクスケジューラーによる処理可能なタスク
- ファイルの更新・印刷・変換、プロパティ更新
- Workgroup PDMファイルの変換・印刷エクスポート
- インポート・エクスポート
- 図面作成・高品質ビュー変換
- Design Checker
- ユーザー定義タスク
- eDrawings作成
- Simulationアップデート
- レンダリング・アニメーション
ファイルプロパティの入力インターフェースを定義~ プロパティタブビルダー ~
プロパティタブビルダーでは、SOLIDWORKS上でファイルプロパティを入力する為のインターフェースを作成することが可能です。入力すべき項目に合わせて入力タブをビルダーにて作成しておくことでSOLIDWORKSのタスクマネージャー上に作成したインターフェースを表示させ、直接プロパティ情報を入力することが可能です。
プロパティの入力形式として、テキスト入力形式やラジオボタン・チェックボックスの使用、プルダウンリストからの選択など様々な形式での入力方法を設定できます。この機能により部品・アセンブリ・図面など、ファイルタイプ毎に必要となるプロパティ項目の入力形式を統一できるよう設定しておくことができます。
その他の搭載機能
- CADを使用せずにデータ閲覧、ファイル名変更が可能な、「SOLIDWORKS Explorer」
- 複数のマシンを繋ぎタスクスケジューラーの処理を並行処理する、「NetWork Monitor」
- SOLIDWORKSのオプション設定やカスタム内容をコピーする、「設定コピーウィザード」
- SOLIDWORKSの使用環境に関する情報を診断・自動抽出する、「SOLIDWORKS RX」
- 2DCADのようにコマンドラインによる操作をサポートする、「2D Command Line Emulator」
(本稿はCAD Japan.comより提供を受けた記事を編集したものです。)