前回、ネコの体や顔の必要なパーツ作成まで進めることができたネコリョーシカプロジェクト。今回はそれぞれのパーツを「アセンブリ」の画面で組み合わせる様子をレポートします。
「アセンブリ」では、今まで作業していたパーツファイルとは別にアセンブリ用の新規ファイルを作成し、その画面上に各パーツを組み合わせていきます。まずはネコのボディを表示し、そこへ目のパーツファイルを読み込みます。
ファイルを呼び出しただけでは同じ空間にパーツが並ぶだけなので、移動ハンドルを使って適切な位置へと目を誘導します。目のパーツは、ボディに食い込むように設置してOK。重なった部分は繋がった物体として認識されます。
続いて鼻、耳を同じ要領で組み込んで行きます。
3DではX、Y、Z軸の3方向に加えてパーツ自体の角度も意識しなくてはなりません。ボディと各パーツが上手く接しているか、マウスホイールの操作で動的にビューを回転させ様々な角度から確認し、微調整を加えて行きます。
鼻、耳をセットできたら次は腕パーツです。まず、作ってあった左腕パーツを左右対称にコピーし右腕を作ります。パーツコピーのコマンドで「鏡映ボディ」という条件にチェックを入れると元のパーツを鏡映しにした立体を簡単に作成可能。
この腕を体にフィットさせるように動かして行くのですが…
腕の位置決定が、一番の難所でした。ボディの曲面にうまくフィットする位置、角度を探し出せるまで微調整を繰り返します。移動ハンドルでの地道な作業が続き…
ついにアセンブリファイル上でネコリョーシカの組み立てが完了しました。
しかしここで終わりではありません…中を入れ子にするために「ボディの中をくりぬく」「ボディを上下に分割する」「子ネコの作成」「親子が上手く重なるかのシュミレーション」という作業が待っています。
まずはくり抜きの作業から取りかかることに。
「回転コマンド」は、スケッチした平面を回転させ立体に描き起こすことができる機能。前回、ネコのボディをソリッド化する時に利用したコマンドです。
逆の発想で、このコマンドを既に立体になっているものの中で使えば削り取る事ができるのではないか? と考えました。
一旦アセンブリからボディのパーツファイルへと戻り、「回転コマンド」を試してみることに。空洞にしたいエリアに平面を描き、360°回転させると…
見事、くり抜きに成功しました!
くり抜きの次はボディを上下に分割する作業です。これには「サーフェス」機能を使います。
切り込みを入れたい場所に「サーフェス」コマンドで平面を作ると紫色に表示されます。この平面をガイドラインとし、「切り抜き」コマンドでボディ下半分を除去。上のパーツだけになった状態で保存します。
同様に上半分を削除したものも保存すれば、上下の各パーツの準備が完了です!
ただ、分割しただけでは蓋を閉めた時に固定されません。蓋を閉めた時にカッチリとはまるようにヘリの突起を作ることにしました。これには「リップ」という機能が便利。選択した辺に沿ってへりまたは溝を作成することができるコマンドです 。
こうしてボディの制作が完了!!
さてネコリョーシカ制作も終盤。残すは子ネコの作成です。ここで活かされるのが先ほども出てきた「パーツコピー」のコマンド。
尺度を変化させることで同じ形のままミニサイズのパーツを複製することができるのです。約70%の縮尺でコピーしてみると…可愛い親子ネコに!!
ただし、子ネコが親猫の中にきれいに収まらなくては製品化できません。ネコの中心軸を重ねわせ、「干渉チェック」というコマンドを利用してチェックすることに。
「干渉チェック」では、上記のようにぶつかっている箇所を視覚的に確認にすることが出来ます。このままでは頭部が重なってしまっているので、子ネコのサイズを小さくするか親ネコの頭をもう少しくり抜く必要がありそうです。
調整を加えること数十分…
3匹の入れ子式ネコリョーシカが完成しました!
まったくの初心者として3D CADに挑戦した私。出だしのインストールで悪戦苦闘したり、チュートリアルに日々励んだり…
決して短い道のりではありませんでしたが、なんとかここまで辿り着くことができました!
苦労して作ったからこその親心というのでしょうか、「せっかく出来たネコリョーシカのデータ、誰かに見せたい…」という気持ちが湧いてきたのでした。以前にマイナビ編集部からSolid Edgeの作品デザインのコンテストがあると聞いたことを思い出しました。優秀作品はシーメンスPMLソフトウェアのグローバルカレンダーに採用されるのだとか。
調べてみた所、昨年の受賞者の記事がグローバルサイトのブログにあるのを発見。
昨年の優勝作品は、アラバマ大学で機械工学を学んでいる学生ザック・ペンランドさんのヘッドフォンの作品。
表面のメタリックな質感やロゴ部分のデザイン・色にもこだわって作られたスタイリッシュな作品です。どうやら、Solid Edgeではパーツの表面の色や質感も自分の思い通りにカスタマイズできる模様…
「ここは1つ、カレンダーコンテストを目標にしてネコリョーシカの更なるブラッシュアップをしてみてはどうだろうか??」
そんな新たなモチベーションが私の中で生まれつつありました。
という訳で、次回は目指せ!カレンダーコンテスト入賞?! ネコリョーシカの外観のパワーアップの作業をレポートします。
デザイン完成後は、3Dプリンタによるネコリョーシカの出力も行います! お楽しみに!!
協力:Solid Edge(シーメンスPLMソフトウェア)
Solid Edgeは、ゼロからスタートする設計にも、既存のものを改善する設計変更にも迅速に対応できる、3D CADソフトウェアです。
45日間無償評価版のダウンロードは、コチラから。
駆け出しクリエイター のでこへの応援メッセージを募集しております
3D CAD初体験で絶賛奮闘中。そんなのでこへの応援メッセージを募集しております。「Solid Edgeの使い方を教えたい!!」「ネコリョーシカを製品化したい!!」など、色んなメッセージをお待ちしております。
メッセージはコチラから。