駆け出しクリエイターの「のでこ」は、オリジナル商品「ネコリョーシカ」のモック作成のため3D CADソフトウェア"Solid Edge"に初挑戦! チュートリアルを進めながら基本操作を学習したのでこ。今回は、いよいよ「ネコリョーシカ」の作成に取掛かる。果たして商品を形にすることはできるのでしょうか?
チュートリアルで基礎的な力を付けた私。いよいよこのオリジナル商品、ネコリョーシカを3D CADで作ります!!
ネコリョーシカは、パーツとしては猫の「体」、「耳」、「目」、「鼻」、「手」の5パーツに分かれます。このパーツ全てを同じファイル内で作っていこうとすると、全パーツを1つの空間内で把握しなくてはならないので難しそう…と考えました。
Solid Edgeで複雑な形態を作る場合は、パーツを1つずつ作って保存し「アセンブリ」で組み合わせていくという方法があります。ネコリョーシカもこの方法で作ってみることにしました。
このやり方なら、後からパーツの形を修正する時にはそれぞれのファイルごとに作業でき、他のパーツに影響されません。
またパーツに加えた変更はすぐにアセンブリ画面にも反映されるので安心です。
では、さっそく猫のボディを作っていくことに! 2次元スケッチで猫の顔となる楕円のベースを描いていきます。
スケッチした楕円の中心を通る垂直線を引き、その上に「突き出しハンドル」を設置します。
このハンドルを回転させることにより、楕円を簡単に3Dにすることができます。
これでネコリョーシカの頭となる球体ができました!
同じ要領で胴体部分を作っていきます。
頭の中心から垂直線のガイドラインを引き、その線を始点として断面図を描きます。なめらかな曲線を描くことができる「曲線コマンド」を使えばIllustratorのベジェ曲線と同じように感覚的なスケッチが可能です。
頭と同様に「突き出しハンドル」で回転させれば、猫のボディが完成!
まずは実際の3Dパーツを作る前に、耳・目・鼻のおおよそのイメージをスケッチしておきます。ビューモードを正面からに切り替えておくと作業がしやすいです。
スケッチモードは、このようにアイデアの下書きとしても使うことができます。下書きをしておくことで位置感・サイズ感を把握することができ、各パーツの作成にスムーズに移ることができます。またアセンブリの際のガイドラインにもなり一石二鳥。
次は目です。作り方はごくごく簡単。楕円を描き、「突き出しハンドル」で厚みを持たせた後、「丸みづけ」コマンドで角を取ります。
次に耳に取りかかりました。耳は、平面を突き出して立体化するだけでは三角錐状の形態を表現できないと考え、「サーフェス」のコマンドを利用して作ることにしました。「サーフェス」は、意匠的なデザインの際に使用される機能で、自由にスケッチしたワイヤーフレームを元に表面の曲面的なデザインを作ることができます。
まず耳の骨組みを直線と円弧を用いてスケッチし、骨組み同士の間に「サーフェス」コマンドで面を張ります。 すると面を張った部分が紫色で表示されます。この状態ではまだ中身が物質化されていない状態の為、「ブーリアン」というコマンドでソリッド化する必要があります。
「ブーリアン」は2つの重なる物体の差を識別し、そのパーツを削除したりくりぬいたりする事ができる機能。今回は、耳とは別に立方体のソリッドを作り、その中に耳を重ねて「ブーリアン」を行うことで耳の形のソリッドとしてくりぬきました。これで綺麗な曲面を持った耳のパーツが完成しました!
最後に残されたのは最も複雑な腕のパーツ…。直線ベースの幾何学的な立体物と違い、有機的なラインを持つパーツのため、やや難易度は高めと思われましたが、ここはまずはトライしてみよう、ということで腕を曲線コマンドで描いていくことに。
思い通りの形にするため、かなり細かく点を打って調整を加えていきました。
平面図が完成したので…
突き出しハンドルで立体化。ここまでは順調と思われたのですが、他のパーツと同じ様に「丸みづけ」を加えようとしたところ…
曲線コマンドで細かく描いていった指の部分が、どうやらエラーの原因のよう。入り組んでいるため構造的に矛盾している可能性があり、「立体物にできない」と"Solid Edge"が判断してしまったと考えられます。物理的に無理がある形態の場合、このようなエラーメッセージが出てしまうのです。
別の方法は無いかと考え…「削り出し」の方法で再チャレンジすることに。しかし、削り出す方法は、やはり指の入り組んだ部分の曲線が原因か、同様のエラーが出てしまいました。
そこでもう1つの代案、腕と指をそれぞれ作ってから合体させる「組み合わせ」の方法を試してみることにしました。
その結果…、何とか立体的な腕を作る事に成功!!
腕の作成で少々戸惑いロスタイムはありましたが、他はスムーズに作業でき、ここまで所要時間約2時間といったところでした。
作業してみて感じたのは、"Solid Edge"は使い慣れてくると、かなり直感的にイメージを描き起こす事が出来るということ。
作ったパーツも好きな角度から回転して見ることができるので、まるで実際に画面の中の空間に立体が存在しているような感覚で作業を進めることができました。
また1つの方法で上手くいかなくても、パーツを色々触ったり他の方法を試しているうちにアイディアが生まれてきて、クリエイティビティが刺激されている感じがしました。
だんだんとコツを掴み、作業も楽しくなってきたネコリョーシカ作り!次回は、パーツを組み合わせていくアセンブリの様子を詳しくお届けします!お楽しみに。
協力:Solid Edge(シーメンスPLMソフトウェア)
Solid Edgeは、ゼロからスタートする設計にも、既存のものを改善する設計変更にも迅速に対応できる、3D CADソフトウェアです。
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