ペンマークは、学生向けの履修管理SNS「Penmark(ペンマーク)」の開発・提供を軸とし、Z世代のアンケート調査や企業の学生向けマーケティング支援を行っています。本連載では、ペンマークのCEOであり、現役の慶應義塾大学生でもある筆者が「Z世代のSNSマーケティング」をテーマに解説します。第2回目となる今回は、「SNSマーケティングで利用される主な媒体と特徴」と「Z世代の新定番SNS」について取り上げます。
SNSマーケティングで利用される主な媒体と特徴
まずは、日本で利用されている代表的なSNSとその特徴を紹介します。以下のグラフは、国内の主なSNSユーザーの年代をまとめたものです。
ユーザー同士のコミュニケーションを主な目的とするSNSでは、全年代で首位の「LINE」を除くと、「Instagram」が48.5%、「Twitter」が46.2%、「Facebook」が32.6%です。中でも「Instagram」は20代の利用率が78.6%と最も高く、10代でも「LINE」に次いで高い利用率となっています。
次に、各SNSの全体の利用率と「書き込む・投稿する」と回答した人の割合を比較してみます。利用全体のうち、「書き込む・投稿する」と回答した人の割合は、「LINE」「Instagram」「Twitter」「Facebook」の順に高いです。
下の画像は機能別にSNSを分類したものです。各SNSの特徴について詳しく説明します。
文章投稿型SNS
・Twitter
情報伝達のスピードや拡散性に大きな強みを持ちます。「リツイート」や「いいね」機能により、対象アカウントをフォローしていなくてもユーザーのタイムラインに投稿が表示されます。この拡散性の高さから、頻繁にバズる投稿が生まれます。また、他ユーザーの投稿を引用し意見や共感を表明できるので、その内容がさらに話題となることがあります。しかし、誤情報が拡散したり、攻撃的なリプライが送られたりすることもあるため、投稿内容には慎重になる必要があります。
・Facebook
ビジネスシーンで広く活用される媒体です。30代~40代の利用率が最も高く、40%以上のユーザーが利用しています。特にビジネス上のつながりを目的に利用するユーザーが多く、Facebook提供のメッセージサービス「Messenger」がビジネス上の連絡手段として使われることもあります。日本国内の10代利用率は13.5%で他SNSに比べて低いものの、世界的には最もメジャーなSNSであり、海外マーケティングに非常に役立ちます。
・LINE
日本国内で最も利用されるSNSで、幅広い年代に活用されています。公式アカウントを通じて顧客と1対1の関係性を構築しやすく、ナーチャリングが必要な商材に適しています。さらに、クーポン配信やポイント機能を利用でき、飲食店との相性も抜群です。企業のマーケティング活動では、LINEミニアプリ開発により、通常のアプリと同等のユーザー体験をLINE上で提供できる点が大きな強みです。
ナーチャリング:顧客の興味・関心に合わせて情報を提供し、購買意欲を喚起するプロセス
写真投稿型SNS
・Instagram
ブランドの世界観表現に最適な媒体です。画像や動画を使ってメッセージ投稿ができ、視覚的にユーザーを商品に引き付けます。フィード投稿、ハッシュタグ検索、ショッピング、リール、ライブ配信など多機能で、認知から購入までつなげる訴求力が強みです。24時間限定の「ストーリーズ」ではアンケートやクイズなど双方向コミュニケーションが楽しめ、ブランド好感度向上に役立ちます。ただし、検索性や拡散力は弱く、目的の情報へ辿り着くまで時間がかかる場合があります。
動画投稿型SNS
・TikTok
10代~20代に人気の媒体です。縦型画面に最適化されたUI(User Interface)で広告訴求力が高く、若年層向け商品に相性抜群です。他のSNSと異なり、TikTok独自のアルゴリズムでフォロワーが少なくても多くのユーザーに表示される強みがあります。アカウント開設直後でもコンテンツ次第でバズる可能性があり、誰もが公平にファンを獲得できます。
・YouTube
幅広い年代が利用する媒体で、10代~40代の利用率は96%と高い支持を受けています。商品特性に応じて企業とインフルエンサーがコラボレーションして、視聴者の購買意欲を刺激します。YouTube内のショート動画「ショーツ」を使って、YouTube動画本編への導線をつくることも効果的です。
Z世代の新定番SNS
ここからは、特にZ世代のユーザーが多いSNSを3つ紹介します。
・BeReaL
BeReal(ビーリアル)は、フランス発の写真投稿型SNSです。2023年4月現在、ダウンロード数は全世界で1500万。上記の写真投稿型SNSとは違い、「映えない」SNSとしてZ世代を中心に話題となっています。1日1回、原則2分以内に撮影した写真をアップするルールとなっており、加工された写真ではなく、その瞬間のありのままの姿を友達だけに共有することができます。
・whoo
whoo(フー)は、日本発の位置情報共有SNSです。2023年4月現在までにダウンロード数は1000万を突破。同じく位置情報共有SNS「Zenly」が2023年2月にサービス終了となったことも追い風となり、リリースからわずか3カ月で急速に拡大しています。QRコードをLINEなどでシェアすることにより、whoo上で友達とつながることができ、ひまつぶしの相手探しや友だちとの待ち合わせに活用できます。
・Snapchat
Snapchat(スナップチャット)は、アメリカ発の写真・動画共有型SNSです。2023年4月現在、月間アクティブユーザー数は7億5000万人。写真や動画(スナップ)を撮影し、アプリ内でフィルターやステッカーを追加して友達と共有できます。Snapchatの最大の特徴は、送信されたスナップが視聴後一定時間で自動的に消える点です。これにより、リアルタイムでのコミュニケーションが楽しめます。
企業のマーケティング活動において、ますます重要度を増しているSNSマーケティング。今回はSNSマーケティングで利用される主な媒体と特徴、そしてZ世代の新定番SNSについて取り上げました。一括りにSNSといっても、用途やユーザー層は異なります。それぞれのSNSに最適化した形で運用することが大切です。次回は、SNSマーケティングの具体的な事例と併せて、Z世代に適したSNSの活用法について解説します。