綿密な地盤調査をもとに建設された強固な自社データセンター

カゴヤ・ジャパン セールスグループ マネージャー 猪俣成寿氏

カゴヤ・ジャパンは京都府に本社を構えるホスティング事業者だ。個人で気軽に利用できる安価な共用サーバから、大規模企業のニーズにこたえる管理者権限付き専用サーバまで幅広いサーバサービスを提供しているほか、クラウドサービスの提供やデータセンターの運営も行っている。

品質と安全性に強いこだわりをもっているカゴヤ・ジャパンは、データセンターを賃貸ビルではなく自社ビルに置いているという特徴がある。大阪や京都から車で2時間程度のその場所は、綿密な地盤調査と電源事情を考慮して決定された。海からも一級河川からも遠く、地震の影響を受けづらい場所だという。

「商業施設の建設が計画されていた土地なので、電源事情にすぐれた場所です。傾斜のある高台の上に建てられており、周囲には建物がありません。移転以来、震度3以上の地震が計測されたことはありませんが、仮に周囲の建物が倒壊してもぶつからない位置関係にあります」と語るのは、カゴヤ・ジャパン セールスグループ マネージャーの猪俣成寿氏だ。

建物自体も免震構造と耐震構造が採用されており、地震や津波といった自然災害のリスクにいち早く対応した体制となっている。

カゴヤ・ジャパンのデータセンター。海からも一級河川からも遠く、地震の影響を受けづらい場所に建設されている

もちろん、サービス面の安全性も確保されている。「当社のビジネスにおいて、セキュリティは絶対的なものです。人の目による24時間監視などの安心・安全を重視したサービスを提供していますが、常に強化を考えています。そうしたなかで今回導入を決定したのが、ウォッチガードテクノロジージャパンのフルマネージドのセキュリティ管理サービス『WatchGuard MSX』です」と猪俣氏は語る。

機能とコスト、デリバリーのバランスで「WatchGuard MSX」を選択

ウォッチガードテクノロジージャパン 営業部長 真田賢太氏

「WatchGuard MSXを選択した理由の1つは、当社が顧客に提供したいと考えている価格と品質が合致したことです」と猪俣氏。カゴヤ・ジャパンの主な顧客層は従業員数500名以下の中小企業であり、ウォッチガードテクノロジージャパンの中心顧客層に合致する。

また、この層をターゲットにビジネスを展開してきた立場から、重視したのはサポートとデリバリーの体制だという。「中小企業のお客様の場合、納期の短さが重要になります。『今すぐ、明日にでも使い始めたい』といった相談が少なくないのです。時には、深夜に連絡が来て翌日には使いたいと言われることもあります。そうした案件にも対応できる力が、ウォッチガードにはあることも選択のポイントでした」と猪俣氏は語った。

高価格で類似の製品は存在するが、手頃な価格で安全性を高められることを重視したという猪俣氏は、「ユーザーが選択しない高額オプションを用意することは宝の持ち腐れとなる」とも指摘している。

「当社のデータセンターでは人の目による監視を行っているので、通常はWatchGuard MSXの自動監視機能を利用しながら、問題が発生した時にスタッフが直接対応するといったサポート形態をとっています」と猪俣氏。両社の強みを生かした運用が行われているようだ。

「安全・安心に強いこだわりを持っているカゴヤ・ジャパンに、当社のサービスを選んでもらえたのは嬉しいことです。WatchGuard MSXが提供する安価で高品質なセキュリティを、カゴヤ・ジャパンのお客様にも利用していただきたいですね」と、ウォッチガードテクノロジージャパンの営業部に所属する真田賢太氏も語っている。

柔軟な設定やコストダウンに活躍する「WatchGuard MSX」

カゴヤ・ジャパンは現在、大きく4つのサービスを提供している。サーバを部分的にレンタルする「共用サーバ3G」、サーバをまるごとレンタルする「専用サーバ3G」に加えて、専用サーバに自由な設定が行える「KAGOYA 専用サーバFLEX」、用途を限定する「メールプラン/データベースプラン」だ。これらのうち、「KAGOYA 専用サーバFLEX」と「メールプラン/データベースプラン」の「メールプラン」に「WatchGuard MSX」が導入されている。

「メールプラン」の場合、最上位となるエンタープライズプランを選択すると自動的に「WatchGuard MSX」の機能が提供される。「KAGOYA 専用サーバFLEX」の場合は選択可能なオプションとしての提供だ。

「メールプランのお客様は、WatchGuard MSXの存在を意識することなく、安全なメールプランという感覚で利用されていると思います。海外との取引を開始したお客様に特に需要が高く、特定ドメインを必ず除外したり、必ず通したりといったきめ細かな設定が安価にできることが魅力になっています」と猪俣氏は語る。

一方、「KAGOYA 専用サーバFLEX」はセキュリティを強化するために「WatchGuard MSX」を選択するわけだが、こちらは利用者の多くがサービスプロバイダーとしてエンドユーザーにサービスを提供する立場にあるという。

「高額なセキュリティ機能を採用すると、エンドユーザーに提供するサービスの価格に跳ね返ってしまいます。そこで、安価なWatchGuard MSXが魅力になるわけです。お客様の需要に合わせて提案する形をとっていますが好評です」と猪俣氏。

カゴヤ・ジャパンのサービスとWatchGuard MSXのコラボレーションはスタートしたばかりだが、「WatchGuard MSXを採用したプランは毎月順調に利用者数に伸ばしています。われわれにとってもWatchGuard MSXは大切なツールであり、今後も協業を強化したいですね」と猪俣氏が語る一方、真田氏は「中小企業向けによりのメリットを提供して行きたい」と語る。今後も、両社のさらなる展開が期待できそうだ。