運が悪い会社の「共通点」
運も実力のうちです。あなた自身が運がいいか否か次の項目にいくつ該当するか(どちらかといえば該当するも含め)数えてみてください。
- 人を誉めるより批判することの方が多い
- 場の雰囲気を読むことができない。
- 人の噂話をするのが好きだ。
- そもそも相手や周りが悪いから問題が起きるのであって、自分は悪いない
- 「日本は終わる」が口癖だ
- 嫌いな人が多い
- 自分の考えはどんなことがあっても決して曲げない
- ずるいことをしなければ金儲けなどできない
- ストレスは解消したり発散するもではなく、周囲に当たり散らすものだ
- 社会に対する批判が絶えない
6つ以上該当していたら運の悪い人、3つ以上該当したら運気の悪い状態(一時的に)にあると思います。こうした人が社長である会社は要注意であると考えています。
世の中に運のいい人/悪い人がいるのと同様に運のいい会社/悪い会社があります。売掛金を倒されたり、従業員が事件、事故を起こしたり病気になったり…と、不思議と不運が続く会社があります。
私が独立開業する前、勤務税理士だったときのクライアントで、なぜか不運ばかりが続く会社がありました。そのたびに占い師や霊感の強い人に見てもらったり、お払いをしてもらったりするのですが、相変わらず不運は続きます。「運も実力のうち」- これが真理なら、社長自身に問題がないだろうか?と考えました。ちょっと酒癖と女癖には問題があるものの、包容力があり、仕事にはまじめで、従業員の面倒見もよい、とてもいい方です。でも、何回か社長とお話をさせていただくうちに気になる点が見えてきました。不平不満が多いのです。
その会社は空調電気設備関係の仕事をしていた法人で、公共工事が仕事の大部分を占めていました。その地域は未だに古い体質が残っていて、地元の政治家によって公共工事の受注が左右されていました。自分にとって都合の悪い政治家が当選したとき、受注額が激減します。こうして、人に対する批判、社会、政治に対する不満の多い社長の口癖は「日本は終わる!」でした。
余談ですが、一時流行った「日本は終わる」というのはマイナスの感情を呼び起こす考え方として、私が最も嫌いな言葉のひとつです。いったいどういう意味なのでしょう。少子高齢化が進むと「終わる」のですか? 財政赤字が解消しないと「終わる」のですか? 不安をあおって、不安を増大させてどんな良いことがあるのでしょう。断じて何も良いことなどありません!
社長業の「自由」と「制約」
冒頭に挙げた項目はすべてマイナスの感情を呼ぶ要因です。批判に終始することによって不愉快になり、やる気がそがれ、後ろ向きになってしまいます。結果として、明るい未来に向けた建設的な構想を描けなくなってしまうのです。毎回同じ台詞を繰り返しますが、こうした会社のために誰が一生懸命働こうと思うでしょうか。組織のトップである社長はできる限り明るく、前向きである必要があるのです。もちろん批判することも落ち込むこともあるでしょう。でもそれは一時的にしてください。気分を切り替え、頼りになる社長として君臨してください。
「いつも事業の方向性や資金繰り従業員の教育の事を考えやっとのことで、ある程度利益を出せてホッとしたら、今度は税金の心配までしなければならない。その上、「いつも頼りになる社長でいてください」なんて冗談じゃない! 馬鹿馬鹿しくてやってらんないよ!!!」 - こう考えると社長業というのは割に合わない商売だと私も思います。
でも「自由」と「制約」は切り離すことはできません。組織の長として経営上の「自由」を享受している以上、こうした「制約」を受けるのはやむを得ません。こうした制約を覚悟できないのであれば潔く社長業は廃業すべきだと思います。だからこそ、経営者としての「自由」を謳歌してもらいたい。マイナスの感情を呼ぶような思考をやめ、運を味方に付けてもらいたいのです。先ほどの公共事業の例で言うなら、その地域独特の政治力に左右される公共工事受注体質を変えることは容易にはできないのですから、自らが変化し、民間からの受注を増やす方法にエネルギーを使うべきなのです。こうしたプラス思考が運を呼ぶのです。
ただし、楽天的で建設的で前向きな考え方を持っても、ストレスが溜まると批判的になってしまいます。そんなときは経営者の役得で、勤務時間を使ってでもリフレッシュします。散髪やスーパー、銭湯に行く、マッサージを受けに行く、ゴルフの打ちっ放しに行く、買い物に出かける…何でもいいんです。ストレスを解消した心 - 平常心に戻れば必ず運気が巡ってきます。