2018年2月28日~3月2日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている、新エネルギーに関するさまざまな製品や技術などを扱う展示会「スマートエネルギーWeek 2018」においてTHKは、水の流れを電力に変える「小型水流発電装置」のデモを行っている。

小型水流発電装置は、いわゆるマイクロ水力発電のことだが、同社の装置が面白いのは、一般的な水車に備えられている羽状の水車翼が存在しないという点。コの字状のブレードが3枚備え付けられているのみで、水の流れにそれを入れると、ブレードが回転して、発電が行われる仕組みとなっている。なぜブレードが回転するかという点としては、飛行機の翼と似た形状をさせることで、表面と裏面の水の流れの早さに差が生じ、そこから揚力が生み出されるためだ。

このため、水の勢いの影響を受けにくく、かつ水を留め置くこともないため、安定的に発電を行うことが可能だという。ただし、小型であるため、その発電量は100W~250Wで、ならすと1日当たり12kWh程度にしかならない。そのため、大規模発電という分野での使用は難しいが、近年は発電した電気の自家消費といったトレンドが生まれつつあることから、農業IoTと組み合わせての独立電源としての活用などが期待できる。

現在は、実証実験を進めている段階とのことで、事業化に向けた検討が進められている状況にある。テストプラントは、一式300万円程度だが、実際に商用ベースになれば、量産効果なども出てくるため、値段は下げられる見込みだという。

同社では、農業関係や水利権を有する団体などと連携していくことで、さらなるニーズの掘り起こしを進めたいとしており、幅広く、活用してくれるユーザーを求めていきたいとしている。

  • THKが開発した小型水流発電装置

    THKが開発した小型水流発電装置。国内外で実証実験が進められており、水量さえ確保できれば安定した出力を維持できることが確認されている。発電出力としては100Wの場合で、流速1.5m/s程度とのこと