第6話でSEOを意識したサイト制作について学んだりん。あとはサイトを公開するだけ! ラストスパート! という気持ちで出社し、上司のはやせさんに最後の教えを乞うのでした。


♪まぶた~とじ~れ~……


はやせさん、おはようございます!


うぅ……

あ、おはよう。いやーよい歌だなー、感動して涙流しちゃったよ。


(失恋でもしたのかな…笑)

あのー、前回の続きで、アクセス解析の話なんですけどぉ~。


セイセイセイー。トラッキングの話だね、フォーー!!!


(急にどうした!? 笑)

そうです。アクセス解析やトラッキングの話です。


うーんとまずは、昨日も言ったけれど、アクセス解析のコードを入れ忘れるな!というところだね。

今回は、Googleアナリティクスを使うことを前提としようか。Googleアナリティクスは、基本的に無料で高機能なので、僕はほとんどの案件で使ってるよ。


Googleアナリティクス、たしかによく聞きますね。


あとは、2014年に正式版となったGoogleタグマネージャというツールも使うことがあるかな。

Googleタグマネージャでは、Webサイトには決まったコードだけを貼っておいて、実際にそこで利用するコードはタグマネージャ上で管理するということができるんだ。


例えば、メディアサイトなどは、頻繁にトラッキングコードの差し替えや変更を行うよね。その場合は、Webサイトのテンプレートなどを直接変更するといったことをその都度行わなくてはならないんだ。

だけど、タグマネージャを使えば、Webサイト側は一度だけ貼り付けて、どのページでどのコードをだすかや、コードを変更するなどの作業はすべてタグマネージャ側でできるんだ。


なんか、話を聞いていると、めちゃくちゃ利便性の高いツールですね!


たしかにとても便利だけど、使い方も独特だし、正式版公開から1年くらいしか経っていないから、情報もそれほど多くないのが現状かな。

いずれにせよ、難しい部分もあるので、貼り付けたコードをそれほど変更する必要がない場合は、普通にGoogleアナリティクスのコードを貼り付けてもいいと思うよ。


なるほど。サイトの運営方針によって選んでもいいんですね。

今回のサイトは、Googleアナリティクスを利用したいと思います。他にはなにか、やっておくべきことはありますか?


そうだね。あとは、「Googleウェブマスターツール」への登録かな。特に、サイトマップの登録が重要だよ。

CMSなどのテンプレートで、Googleが指定するフォーマットを選択し、sitemap.xmlなどのページ情報が含まれたXMLファイルを生成しておいて、それをウェブマスターツールに設定しておくと確実にGoogleの検索の対象にできるんだ。


各ページの存在をきちんとGoogleに伝える、といった感じですね。


うん。ウェブマスターツールでは他にも、サイトの解析においてどんな検索ワードで検索されたかということを詳しく見ることもできるよ。

検索ワードを分析することで、「こういうワードで検索されてるみたいだから、こういうコンテンツをもっと増やそう」といった運用改善の参考になるよね。


どういうキーワードでユーザーがくるかなどは、たしかに重要ですね。


他にも、HTMLの改善項目を教えてくれたり、Googleからのアラートを確認できたり、見られたくないコンテンツを検索結果から除外したり…いろいろなことができるよ。


Googleアナリティクスも機能が盛りだくさんだけど、ウェブマスターツールでもいろいろできるんですねー。

バッチリ準備を行ってから、クライアントのWebサイトを公開したいと思います!



……――数日後。


はやせさーん! クライアントのWebサイトを公開したんですが、すっごく喜んでもらえましたー…って、あれ? そんな大荷物でどこか行くんですか?


おーーよかったねーー。Webサイトはオープンしてからが本番だからね! 野球は9回裏2アウトからと言うしね。引き続きサポートしていってね。


僕は今日から、このトランシーバー片手に、しばらく自分探しの旅にでようと思ってね。


ドラゲナイ。


こうして、クライアントのWebサイトを無事公開し、さらに、めんどくさい上司も旅にでてほっとしたような寂しいような気持ちの入り混じった、3分の1の純情な感情なりん。
今後もいろいろ勉強して、立派なWebディレクターになるぞ!と心に誓ったのでありました。~Fin~

おわりに

Webサイト制作のTipsを、これまでの制作会社での経験を基に「はやせ」と新人社員「りん」の掛け合い式で書いてみました。Webの世界はスピードが速いので、閲覧環境もサイト制作のテクニックもどんどん進化しています。ですが、根本的な「誰かにとって役立つ情報を伝える」ことの重要性は変わりません。今回の連載でご紹介したポイントがお役に立てれば幸いです。いやー、Webサイト制作って本当にいいもんですね。

執筆者紹介

早瀬将一

シックス・アパートにて、主にWebサービス型CMS「MovableType.net」の製品企画を担当しています。個人活動として、大学時代から音を中心としたインタラクティブ作品を制作。音に限らない作品やソフトウェアも作ってます。詳しくはWebで!