インターネットを眺めていると、どんなに頑張っても成功しない人がいる。センスが悪いという一言で片づけられてしまう人もいる。ビジネスで成功するかどうかはセンスに依存するが、そもそも努力が大前提だったりする(努力しないで成功したビジネスはすぐに真似されて消えていくので、筆者は成功とは言わない)が、性格が基盤だと思う。

ビジネスに向いている性格というのがある。ビジネスやビジネス主体者の年齢によってベストな性格は変わるが、一言でいえば、以下だと思う。

  • 成長しやすい
  • ビジネスを成長させやすい
  • 協力を得やすい

人生は長丁場で、活動や作業の繰り返しで成り立っている。例えば素直なのにタフだったり、努力が楽しめたりといった具合だ。一方で自分だけ成長しても、ビジネスは成長しないこともある。ビジネスを成長させることができる性格というのもあるのだ。短期的利益ばかりに目が行ってしまう性格だと、周りが付いてこないし、そもそも先を見る目が養われないので、どこかで道を誤って、ビジネスが成功しなくなる。

また、周りの協力を得られたほうがいいので、そういう性格のほうがいい。援助したくなるような性格と言えばそうなのだが「かわいそうで何とかしたいと思うような性格」だと、ビジネスが成功した時に「みんなのお情けで成功した」などと妬まれて、周囲からの協力がなくなることもある。

「世のため人のため、自分(協力者)のために力を貸したい」と思われるような性格であることが重要だと思う。ただ、このような定義も筆者の個人的な意見であって、正しいかどうかもわからないし、ビジネスの環境や状況によって変わってくる。

ただ、そのビジネスの周囲で生きている人においては、「このビジネスに向いている人は〇〇〇のような性格」という局地的な常識があるはずだ。したがって、その性格に自分自身を変えることができたら、成功しやすくなるはずだ。完全にその性格にならなくても、今の自分の悪い性格を直すことができたら、それだけ、成功に近づくはずだ。自分の性格を変えたいと思っている人がいたら、ぜひ以下の言葉を何回も読み返して理解してほしい。マザーテレサの言葉だ。

思考に気をつけなさいそれはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさいそれはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさいそれはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさいそれはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさいそれはいつか運命になるから。

この言葉は私が好きな言葉の一つである。納得できるところが多い。

能力的にはたけているのに成功しない人がいる。

能力的にはそれほど高くないのに成功する人がいる。

一人だけで完結する小さなビジネスであれば、個人の能力だけで何とかなることもあるかもしれないが、お客様や取引先が発生した時点で、個人能力は成功の十分条件ではなくなる。ビジネスは人との付き合いによって多分に影響を受けるのだ。

たくさん付き合えば成功するわけでもない。ビジネスに最適な付き合い方があり、それはその人の性格が決める。私の仕事はマーケティングコンサルタントだ。重要な人にのみ付き合いを絞り、それ以外の人とはなるべく会わないほうが儲かる。ビジネスによって適切な性格というのがある。

さて、性格の変え方に話を戻す。上記のマザーテレサの言葉で大事なのは、性格を変えられるというところだ。「思考」→「言葉」→「行動」→「習慣」→「性格」→「運命」と連鎖しているので、「思考」から順番に気をつけていけば、やがて「性格」も「運命」も変えられるということだ。

簡単に説明すると、常に思っている「思考」はついつい口に出てしまう(言葉)。いつも言葉にしていることは「行動」に影響してしまい、その「行動」が継続すると習慣になり。この習慣が性格を形成するのだ。そして、運命は正確に依存するので、普段から思っている思考が人生を変えるということだ。

常に不満ばかり考えている人は、つい愚痴を言ってしまい、愚痴により自分のモチベーションも下がり、前向きな人は離れていき、周りは愚痴っぽい人が多くなり、その環境が愚痴っぽさを増長し、愚痴が習慣化されていく。その結果さらに愚痴っぽい性格になり、その性格が人生を決めていく。あえて書かないが、愚痴っぽい人が幸せになれる可能性は低い。

こういう風に書くと「だって、そう思っちゃうんだから仕方ないじゃん」と思う人がいるかもしれない。ほとんど愚痴を言わず、家庭に仕事の不満を持ち込まない筆者は「不満を思わないように工夫してますよ。別のことを考えたり、好きなことを想像したり、音楽聞いたりして、切り替えてますけど」と言いたいのですが、そんな話はさておき、「思考」を変える方法を最後にお伝えします。

「思考」を変えるには?

「思考」は「経験」と「学び」のサイクルで成長していくと思う。経験したり、学んだりすることで「あぁ、こういう時はこうなるよね」などと思ったりするのだ。そのサイクルで重要なのは「師匠」だと思う。

実際によくある話だが、人間のほとんどは自分の価値観で物事を測る傾向がある。「経験」をして、そこから「学ぶ」時に、自分の価値観だけで勝手に理解をしてしまう人が成功しない一番の根本だと思う。

例えば、ある期間頑張ってみて結果が出ないと、「その取り組みはだれが何をやってもうまくいかないこと」と思いこもうとするケースだ。多くの人は自己否定ができない。このケースの人は大抵「世の中そんなに甘くない」と思っていたり、わりとシニカルだったり、はっきり言えば、曲がった性格になってしまっている人だ。

この手の人は口では自己否定的なことを話していても、本気な自己否定ができない人なことが多い。この時に師匠がいて、厳しく正してくれると、経験からもっと学べることが多くなると思う。それができれば、成長が早くなったり、性格が成功しやすい性格になったりすると思う。この考え方に共感する若い人は早めに師匠を作ったほうが良い。年がたてば、たつほど頭は固くなり、師匠と思える人を受け入れにくくなるから、早めが良い。

師匠は一人じゃなくてもいい。多すぎても問題だが、そこそこいても良いと思う。親もある意味人生の師匠だが、同じ業界の他人の師匠が良い。他人の師匠には甘えられないので、その距離感がいいと思う。いかがかな? 共感される方はぜひ自己責任でチャレンジしてみてはどうだろうか。

私は弟子を一切募集していません。私の考えに触れたい方は、Facebookアカウントをフォローください。今回のコラムの次号も案内します(面識のない方の友達申請はお受けしません。あらかじめご了承ください)。

著者プロフィール

吉政忠志


業界を代表するトップベンチャー企業でマーケティング責任者を歴任。30代前半で同年代国内トップクラスの年収を獲得し、伝説的な給与所得者と呼ばれるようになる。現在は、吉政創成株式会社 代表取締役、プライム・ストラテジー株式会社 取締役、一般社団法人PHP技術者認定機構 代表理事、一般社団法人Rails技術者認定試験運営委員会、BOSS-CON JAPAN 理事長、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事を兼任。