気が付けば、前回の掲載から8か月たってしまいました。そして、筆者は50歳になりました。見渡してみると、筆者の周りは本当に出世した人が多いです。上場企業の社長や役員、大手外資系の社長や役員、起業して成功した方々など、みんなでタッグを組んで出世したわけではないのですが、結果的にそうなりました。
おそらく「あいつには負けたくないな」とか思っていたわけでもなく、周りも頑張っている雰囲気なので、ついつられて、いつの間にか責任も重くなり、その重圧に応えるべく、努力を重ねていたら、ポジションも年収も能力も高くなってしまったのではないかと思います。
そういう意味では、どの環境に身を置くかということは本当に重要です。人間は多かれ少なかれ、弱い部分があります。周りが頑張らなくて、愚痴ばっかり言っているような環境で働いてもなかなか成長しにくいですよね。
一方で、周りが勉強もチャレンジもして、どんどん能力を高めている環境に身を置いている人は成長がとても速いです。そういう良い環境に10年20年も身を置いていると、かなり大きな差がつきます。
皆さんが今働いている環境は、プラスになる環境ですか?
今の環境が良いかどうかは、実は簡単な見分け方で判断できます。自分の5年先、10年先、20年先を歩いている先輩の人生、生活を見てみてください。その人生や生活にあこがれますか? とても憧れられないようなものでしたら、転職を考えてもよいかもしれません。
もちろん5年後10年後、20年後はわかりませんよね。大きく変わることもあります。しかし、今ダメな会社が5年、10年たって改善する可能性は低いです。今イケている会社は5年後10年後、今ダメな会社よりは良い会社でいる可能性ははるかに高いです。
行きたい会社はありますか? 今、その会社に転職できますか?
仮に行きたい会社があっても行けないこともありますよね。実は、筆者も行きたい会社がありました。サラリーマン時代に成績もよく、役職も高く、給与もよかったのですが、能力的に足りないために行けない会社がありました。皆さんもすべての会社に行けるわけではないですよね。とはいえ、できれば行きたい会社があると思うのです。
行きたい会社に行くには、ある年齢に達する前に能力を基準以上に上げる必要があります。この年齢のハードルや基準は常に一定ではなく、公開されている明確な基準でもないです。でも、なんとなくわかりますよね。
経験も積んで、能力もそれなりになった、30前後から40歳までは転職しやすいです。この時期にそれなりの能力を積めば、行きたいところに転職しやすいのです。40歳を超えると、能力的な大きな成長もあまり期待できないため、雇用されるチャンスは減っていきます。つまり、タイミングと若者の時の高い能力が重要なのです。
一方、「今の会社では経験を積めない」と思う方もいるかもしれません。それはある意味正解でしょう。でも、その状況で転職しても、劇的にいい会社には転職できないですよね、きっと。現状が厳しくても、自分の人生のために能力を高める必要があります。本連載では、以下のシンプルなことをお伝えしたく、筆をとりました。簡単なことだけど、誰もやっていないことです。誰もができる単純だけど効果的なことをやるだけで、ある程度成功できます。
ここでいう成功とは「公私ともにやりたいことがある程度自由にできること」です。海外旅行に行きたいなと思ったらすぐに行けたり、家がほしいなと思ったら家が買えたり、こういう仕事やってみたいなと思ったらすぐにやれたりする状態を指します。
ちなみに筆者なりの成功イメージは、筆者のInstagramを見ていただくとおわかりいただけるのではないでしょうか。
さて、筆者が考える成功に向けた効率的で大事なことの第一歩は以下だと考えています。
- 人より速い、丁寧な仕事をじゃんじゃんこなす
- 上記ができない場合、人の倍時間をかけて能力的に足りないところを補う。早く丁寧にするために工夫をする
たったこれだけのことです。毎日10分その日の最後に、今日の仕事内容を振り返って、より効率化するためのアイデアをノートに書きましょう。そして明日、それを生きかすために何をするか考えてみましょう。
「えー!!そんなつまらないことを吉政さんは言うのですか?」と言う人もいるかもしれません。はい、そうです。どこの本でも書いてあるような超絶シンプルなやり方を紹介していますよ。
でも、小学生のころ、先生に習いましたよね? 「予習、復習をしましょう」って。小学生に習うくらいの簡単で基本なことなのです。でも、敢えて言いましょう。この予習復習を馬鹿にしている人で成功している人はいますでしょうか? みなさん、やっていますか?
人生は長丁場なので、効果的なことを続ければ効果が大きく蓄積し、成功するのです。そして、多くの人がこの基本を続けないのです。人生って、案外簡単かもしれません。「上司の付き合いがあって」「恋人との付き合いいが」「残業で疲れてて」など、いろいろな理由があるでしょうが、やった人が成果が出るだけです。
人生は思い通りにではなく、やった通りになるだけです。やった通りにならないと思っているのは、 読みが甘かっただけのことです。今のやり方でうまくいくと思っていた読みが甘いとうまくいきません。基本に忠実で効果があるものを継続すれば、成果が出ます。多くの人は社会人になると勉強をしなくなります。とはいえ、勉強ばかりでもいけません。次の時代に必要な経験が重要です。そのためにはチャレンジが必要ですよね。
継続の結果、人よりも仕事ができるようになります。そうなると、いい仕事がどんどんくるようになります。仕事の依頼者は誰もが成功させたいので、仕事ができる人に依頼します。仕事がたくさん来ると、成長も早くなり、どんどん腕も上がり、腕の良さが周りに知られるようになります。
そのうち、仕事を頼みたい人の行列ができ、その人に仕事を依頼するために、単価が高くなったり、ますますいい仕事が来たりするようになるのです。それらを優先順位をつけて、笑顔で人より早く、丁寧に仕事をこなしていけば、きっと大きく人生が開けると思います。
実際は遊びたくなったり、眠くなったり、邪魔する人が出てきたり、そもそも能力が足りなかったり、飽きたり、自信を失ってしまったりと、すんなりと事は進まないでしょう。
でも、その時に「工夫」をすればこなせるはず。工夫とは試行錯誤です。いろいろやってみて、失敗して改善して効果を上げていくのが工夫です。この「工夫」ができるかどうかが一番重要です。かなり単純なことをいってますけど、25年間やってきてよかったと思うことでした。
人生は長丁場なので、複雑なことをやっても思い通りにならないですし、かえって難しくなります。単純でも効果があることを高速回転するだけで、相当人生変わると思いますよ。
興味がある方は自分でアレンジしてやってみてください。工夫して自分なりの方法として確立できれば人生を楽しめるはずです。
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著者プロフィール
吉政忠志
業界を代表するトップベンチャー企業でマーケティング責任者を歴任。30代前半で同年代国内トップクラスの年収を獲得し、伝説的な給与所得者と呼ばれるようになる。現在は、吉政創成株式会社 代表取締役、プライム・ストラテジー株式会社 取締役、一般社団法人PHP技術者認定機構 代表理事、一般社団法人Rails技術者認定試験運営委員会、BOSS-CON JAPAN 理事長、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事を兼任。