「マルウェア」(malware)とは、悪意を持って作成されたソフトウェアの総称。ネットワークやコンピュータに被害をもたらすソフトウェア全般を意味している。「malware」の接頭辞である「mal-」には「悪」や「不良」という意味がある。そのため、「mal-」に「software」の略である「ware」を足して「malware」と呼ぶ説や、「悪意のある」という単語の「malicious」と「ware」を足した説などが有力とされている。
「マルウェア」という言葉が使われるようになった背景には、従来のカテゴリーに収まらない脅威が次々と登場してきた点がある。そもそもセキュリティの歴史を見ると、世界で初めて登場した脅威は「ELK CLONER」と呼ばれるコンピュータウイルスと言われている。そのため、以前はネットワークやコンピュータへの脅威と言えば、「コンピュータウイルス」を指すことが多く、興味目的で作成された愉快犯型がほとんどだった。
その後、セキュリティへの脅威はクレジットカード情報などを狙った金銭目的へシフトする。例えば、ユーザーの個人情報を収集する「スパイウェア」、ユーザーがキーボード入力した情報を入手する「キーロガー」などが登場し、社会問題に発展するまでに至った。このように近年は、従来の枠に収まらない脅威が日々発生しており、セキュリティへの脅威を示す総称として「マルウェア」という言葉が広く使われるようになったのだ。
また最近では、スマートフォンやタブレット端末などを狙った「マルウェア」が増加傾向にある。モバイル端末の中には、電話帳やメールアドレス、オンラインショッピングのID情報など、重要な個人情報が詰まっている。そのため、モバイル端末PCと同様にセキュリティ対策を講じる必要性がある。
「マルウェア」による脅威はあまりにも多様で、日々変化を続けている。基本的な対策としては、PCとモバイル端末、双方にセキュリティ対策ソフトを導入することが必要だ。最新の状態にアップデートした状態に保ち、新たな脅威に対応したい。また、Webなどを通じて、セキュリティ情報のトレンドを集めることも怠らないようにしよう。