秋田市による公式Webサイトでの発表によると、職員の私物のパソコンから市民の個人情報約1万5千人分が流出していたとのことです。なお、報道によりますと、今回の個人情報の流出は、Winnyネットワーク上への流出とのことです。
流出したのは、秋田市の上下水道の利用者情報、並びに旧河辺町の住民情報など15,369名分で、住所・氏名などの基本情報の他、料金の決済に利用する銀行の口座情報が多く含まれていたようです。
この職員が、何らかの理由により、これらの情報を持ち帰り、自宅の私物パソコンにバックアップを作成していたところ、このパソコンにインストールされていたWinnyを狙ったウイルスに感染し、今回の流出になった模様です。
秋田市では、市民にお詫び文書を送付するなどの対応を取っているそうです。
ここで、再度警告いたしますが……
「Winnyは絶対に使用しないでください」
Winnyは、開発者の方が著作権法違反ほう助で逮捕されて開発が終了しています。裁判の結果、開発者の方は無罪となりましたが、様々な経緯から一切のアップデートはされないことになっています。そのため、利用者をターゲットとしたタチの悪いウイルスが大量に発生しており、次々と被害者が出ています。Winnyをインストールしたパソコンに関して、安全にこれを利用するということは考えられない状態になっています。ですから、Winnyは絶対に使用しないようにしてください。
執筆者紹介
中康二
オプティマ・ソリューションズ株式会社 代表取締役
多くの企業において、プライバシーマークの導入支援を行っている個人情報保護のプロ。著書「新版 個人情報保護士試験 完全対策」(あさ出版)、「〈図解〉個人情報保護法 - 中小企業・個人事業者にも役立つビジュアル対策マニュアル」(共著、朝日新聞社)など。
この記事は中康二氏が運営する「プライバシーマーク・個人情報保護blog @pmarknews」に掲載されたコンテンツを適宜編集部にて加筆・修正を行って転載しています。