これからの未来に向けて、ただのポーズ取りではなく、人類が本気で取り組まなければならないSDGs(持続可能な開発目標)。本連載では、国内における起業家やスタートアップを中心にビジネスの話に加え、今後の企業における事業展開にも重要性が帯びてくるSDGsに関する考え方を紹介します。→「SDGsビジネスに挑む起業家たち」の過去回はこちらを参照。
食品ロス問題で「おから」に着目
食品ロス問題が社会課題の1つとして認識されるようになって久しい。農林水産省では「まだ食べられる食品が廃棄されること」を“食品ロス”と定義している。
食品ロスは農林水産省及び環境省「令和2年度推計」によると522万トンにも及ぶ。この廃棄量は世界各地で飢餓に苦しむ人々に向けた、グローバル全体での食料支援量(2020年で年間約420万トン)の1.2倍に相当する。
廃棄される食材はさまざまだが、その中でも「おから」に着目した起業家がいる。オカラテクノロジズ代表取締役の山内康平さんだ。オカラテクノロジズ創業までの道のりや目指す世界観、製造してきたプロダクトなどについて山内さんに聞いた。
食用になるおからはわずか1%
おからは豆腐製造時、豆乳を絞った後に残る副産物(食品製造副産物)で、食物繊維やたんぱく質など栄養を豊富に含んだもの。定番料理の1つには「卯の花」(おからの煮物)があり、学校給食や家庭料理で馴染みのある人もいるだろう。
おからは料理の材料として利用できる食品であり、スーパーでも豆腐売り場に並んでいるが、発生するおからの総量に対し、ほとんど食用利用されていないのが実情だ。