スーパーコンピュータ(スパコン)分野最大の学会である「SC」の開催地は毎年移動し、2013年の今年はコロラド州デンバーのColorado Convention Centerでの開催である。2013年10月頭の時点で米国政府の予算が承認されておらず、国立研究所からのSC13への出席者が影響を受けるのではないかと心配されたが、議会で当面の妥協が成立したので、大きな影響はなさそうである。

巨大な熊の彫像がガラス越しに中を覗き込むColorado Convention Center

SC13に事前登録した参加者は10,035人で、リーマンショック前を含めて過去3番目に多い参加者となるという。5件の基調講演、14件の招待講演、採択率20%以下という狭き門をパスした90件の論文発表に加えて、企業の講演も多数行われる。また、大学、研究所、企業などの展示ブースの出展が350という巨大な学会と展示会である。

バッジを受け取る登録参加者。正式の開始は明日からであり、まだ、混んでいない

また、SCの開催に合わせてスパコンのランキングであるTop500の更新が発表される。SC13の開催に合わせて発表された第42回Top500では1位から5位までは前回と同じで、6位に大幅にアップグレードされたスイスのCSCSのPiz Diantが入り、11位に東京工業大学(東工大)のTSUBAME2.5が入った程度で、上位システムには大きな変更はない。また、Gordon Bell賞の候補論文にも日本の論文は入っていない。

ということで、昨年に比べると大きなトピックは少ないようであるが、2013年6月にTop500 1位になったTianhe-2の論文発表、NECの次世代ベクトル型スパコン「SX-ACE」の発表、Micron Technologyの高バンド幅のHybrid Memory Cubeを使った富士通の試作機の展示など、興味ある論文や新製品などの発表をレポートしていく予定である。