こんにちは。アートユニットのゼロバイゼロです。メンバー全員が会社で働くかたわらで活動していて、光や水、音など自然物をテーマに作品を作っています。
今回は、ミラノで展示を行い、帰国してからこの取り組みを振り返って感じたことについてお話できればと思います。
出展を終えて
ミラノから帰ってきて約2カ月。結果から言えば、僕たちはサテリテアワードの受賞は逃してしまいました。ですが、受賞できなかったから成果がなかったというわけでは決してありません。最後に、僕たちがミラノで得たものについてお話したいと思います。
文化の違いから見えてきた新たなニーズ
まず、ヨーロッパ市場の感触を掴めたのは大きな収穫でした。 日本との違いを肌で感じたことは、これからの活動のみならず、会社での仕事にも大きく活きてきそうです。テストマーケティングよりも、海外の展示会に直接参加したほうがより効率的かもしれないと感じました。
僕たちのプロダクトは音に合わせて反応し光るというギミックなので、日本での展示では声を出して反応を確かめるような見方をする方が多くいらっしゃいました。一方、ミラノの来場者の反応として印象的だったのが、音楽に反応して光るのを見て、踊り出す人が多かったということです。これがラテンなノリなのか、とカルチャーショックを受けました。
また、「Kvelを燭台にのせられないか」と質問される人が何人もいらっしゃって、これも文化の違いを感じたエピソードです。グラスに入れる前提で作ってきたプロダクトでしたが、欧州でのキャンドルの使われ方とフュージョンしたら、また違った見せ方ができそうだと気づかされました。
世界中のデザイナーとの交流、バイヤーからの視線
3回目でも書きましたが、国を超えたデザイナー同士のつながり、情報交換ができたのは非常に大きな収穫です。 展示会の情報や技法についてなど、多くの情報を得ることができました。今の活動に直結するものもあって、隣のブースに出展していたデザイナー仲間の縁で素材メーカーを紹介してもらい、Kvel量産化の際に使う検討が進んでいます。
その他、展示中は多くのバイヤーの方から声をかけられ、彼らから「今すぐ、このプロダクトが欲しい」というオファーをたくさんもらったことで、手応えを感じられました。ただ、基本的にバイヤーは「出来上がったモノを買い付ける」仕事なので、まだ商品になってないKvelやfishは気に入ってもらえても「次」に繋がりにくく、そこは残念でした。
先日も、別件で来日していたバイヤーの方と会食がてら交渉したのですが、やはり「製品化」というハードルを越えないと、その先の展開は難しそうです。これからの課題が見えてきたと思って、製品化に向けて進んでいきたいです。
最後に
日本は経済圏が大きいので、国内だけで活動していても「メシが食える」のですが、他の国ではそうは行きません。今回、サテリテに出展したことで、世界に向けてデザインを発信している若者が沢山いると知れたのは大きかったです。「世界に打って出る」というとなんだかとても大げさな響きがありますが、日本を一歩外に出ると、それが当たり前という環境の人が多くいるのです。
ミラノから帰ってきて、多くの日本の学生さんや若手デザイナーが、言語の壁を理由として、世界に向けて自分を発信していないのは大きな機会損失だといっそう強く感じます。国際的な目線から自分たちの評価を受けてみると、新たな視点や気づきが得られ、それが大きな成長に繋がると思います。僕達のこの記事を参考にして日本を飛び出すデザイナーが一人でも増えたなら、この上ない喜びです。ありがとうございました!
クラウドファンディングを開始しました!
サローネ・サテリテでも展示したゼロバイゼロ初の製品「Kvel(クベル)」、商品化まであと一歩となりました。そして本日7月5日より、GREEN FUNDINGにてクラウドファンディングを開始しています!
「Kvel」は、これまでにゼロバイゼロが光や音のインスタレーションの展示で培った表現手法と、ものづくりのノウハウを掛けあわせた作品です。デジタル回路を廃してあえてオーディオ・アナログ回路によって周囲の音を可視化した、ロウソクのような、自然で暖かい光のきらめきを実現するLEDキャンドルライトです。
スティック形にして、お好きなグラスに差し込むことを可能にしました。Kvelによって光がガラスのカッティングにあわせて変化し、音に合わせてゆらめきます。今回、職人の手仕事による高品質なガラス製品を製造販売しているSGHRスガハラにご協力頂き、Kvelのために製作した「Kvelオリジナルグラス」も提供します。
今回のクラウドファンディングが目標額に達したら商品化決定です!ぜひご支援のほど、よろしくお願いします!