リユースサービスの活用術を紹介する本連載では、さまざまなシーンにおけるリユース機器導入メリットや中古市場の動向などを、データライブ代表取締役社長の山田和人氏に2回に分けて語っていただく。

リプレース用の検証環境を1/10のコストで調達可能

データライブ 代表取締役社長 山田和人氏

リユース機器が利用されるシーンはさまざまですが、まずは、検証環境の構築用としてリユース機器を調達するメリットからお話ししましょう。

SIerの皆さんが受け持つお客様がシステムのリプレースを予定している場合などには、移行計画に問題が無いかどうかを検証するため、現行環境を再現しなければならないということがあると思います。この際の調達作業はSIerさんが担当するケースがほとんどです。台数は入れ替えるシステムによって異なりますが数10台に上る場合もあり、この作業の負担は相当なものになります。

リプレースの対象となるのはUNIX系のシステム、特にSunのサーバ、ストレージが中心で、5-6年ほど前の製品が多く、これらを新品で入手するのは非常に困難です。そのような調達作業の中で、製品を探している間に当社のような中古業者に行き当たり、お問い合わせいただくケースが多いようですね。

コストについては、既に新品では入手困難な機器なので比較は難しいのですが、同等性能の新製品と比較した場合、当社のリユース製品をご利用になると最大1/10くらいで調達が可能です。失敗できないリプレース案件のテスト環境を、安価に構築できるので利用していただいた皆さんには大変喜ばれています。

新品が入手難でも中古なら入手可能なネットワーク機器

次に、エンジニアの教育や研修目的で利用されるケースをご紹介しましょう。

これはある教育会社さんの例ですが、この会社さんではベンダ認定の上位の資格を持ちつつ、認定以外の独自の教育プログラムを展開されています。このプログラムでは実機を使用して教育を行っているため、同じ製品を大量に調達する必要があります。製品のジャンルとしては、ネットワーク機器が多いですね。

中古のネットワーク機器としては、シスコさんの製品が最もよく出回っています。他のスイッチメーカさんでも、製品貸出などを通じてエンジニアに自社製品を実際に触ってもらう機会を増やしたいとの意向が強く、中古業者に対しても協力的です。

価格に関して言うと、ネットワーク機器はサーバほど下がりません。これは、ネットワーク機器の故障率が低く、仕様の変更が少ない製品の為、寿命が長いということが理由です。そのため、リユース品であっても、サーバなどと比べて価格は下がりにくい傾向にあります。

また、昨年からシスコ製品は新品が入手しづらい状況で、調達に苦労しているユーザさんやSIerさんが多いようです。しかし、同じ型番の製品が実は中古市場には出回っているケースがあります。

新品が品薄の時ほど、中古製品の需要が高まります。この際に、中古業者に求められるのは"調達力"です。どのような調達ルートを持っているかが非常に大切になります。

この点は当社も日ごろから強く意識しており、調達ルートの確保には力を入れています。その甲斐あってか、調達に苦戦しているお客様に喜んでいただける機会もたびたびあり、そのときはこちらもうれしくなりますね。

「在庫は豊富にストックしています」と語る、データライブ システム開発事業部 部長の阿部英明氏

過酷な環境なら安い中古を「使い捨て感覚」

ユーザの中には、PCをかなり過酷な環境で使わなければならない方もいらっしゃいます。

例えば工務店で使用されたPCの場合ですが、中を開けると土が出て来たことがありました。またレストランチェーンの場合、厨房で使っているため油などがPC内部に侵入して、半年でダメになってしまうようです。

このようなケースでは、新品のPCを導入するよりも、リユースPCを短い期間で定期的に全て取り替えてしまう、「使い捨て」のような感覚で使用されることが多いですね。一般的なオフィスなどと比べはるかに短い期間で交換しますから、コスト面を考慮してもリユースのほうが有利です。

全国展開されている店舗のPCを一斉に交換するケースでは、40-50台といった大量の台数を調達されることもよくあります。同じ機種で揃えようとすると一般の中古販売店では扱いきれませんが、当社は無店舗型で同一機種を大量に在庫していますから、このような需要にもお応えできます。

入手至難の旧製品も取り扱い

先ほどもお話しましたが、調達ルートには日ごろから大変気を遣っています。そのため、入手が極めて困難な古い製品に関しても、皆さんの期待に応えられるケースがあります。

例えば、DEC(ディジタル・イクイップメント: 1998年にコンパックが買収し、その後2001年にコンパックをHPが買収)のAlphaサーバをお求めのユーザさんに対して、当社の調達ルートを駆使して手配したことがあります。

当社のパートナーの中には特定メーカーに強みを持つ業者も多くありますから、調達で困っておられるなら、ぜひ一度お問い合わせいただければと思います。