今回のDesign Tipsは、ちょっと毛色を変えてプロトラブズのお客様の事例記事からProtomold射出成形やFirstcut切削加工サービスを効果的に使うためのヒントを探っていきます。

プロトラブズでは、単にお客様に短納期射出成形や切削加工のサービスを提供するだけではなく、最大限の結果を出していただくためのさまざまなヒントや情報、ノウハウを公開しています。Webページの上部メニューにもありますが、「技術情報」をクリックしてみてください。そこには射出成形や切削加工でものづくりを展開するにあたって知っていただきたい情報や、材料についての知識を公開しています。そのような情報の1つが「事例記事」です。

記事ではお客様にどのような課題があったのか、それをプロトラブズのサービスを使ってどのように解決したかを実践ベースで説明することで、より具体的で理解しやすいものにしています。会社によって、その製品やビジネスを展開するマーケットなどの状況も異なりますが、共通することも多くありますので、製品開発を展開するうえで参考にできるのではないでしょうか。

多岐にわたる製品や組織レベルの「課題」と「解決」

2015年5月現在15社の事例記事が掲載されています。お客様を実際に取材して記事化したもので、日経ものづくりにも掲載されたものです。*)取り上げられている製品の産業範囲は非常に広く、医療系の応用としては、車いすのアルミ部品、ワイヤレス心電計の筐体から、工業・事務機器の応用としては、サーマルプリンタの耐熱仕様部品も含む各種樹脂部品、工業用内視鏡の低コスト化のための樹脂筐体などがあり、家電への応用としては、エアーサーキュレータの機構を確立するための試作部品、高級LEDデスクライトの小ロット生産向け樹脂パーツ、さらにはコンシューマ向けとしては、釣り具、ハイパフォーマンス自転車用のアルミジョイント、教育ツール、調理用ワンプッシュ容器、おむつ用の油性インキスタンプ、トランペット演奏者向け樹脂音響モニタ、などがあります。 企業規模も多種多様で、大手企業からベンチャー企業、大学、人財育成企業からメイカーズまで、さまざまな組織レベルにおいても応用されています。記事の冒頭で「課題」と「解決」を明確にすることで、短時間で読める工夫がしてあります。

ぜひ事例ページから各事例をご一読ください。

利用事例トップページ
[ 全て表示 ]をクリックすると事例一覧が表示され、[ 応 用 ]にカーソルを合わせると、各社の製品などの一覧が表示され、選択できます。社名をクリックすると記事PDFが開きます

実感されている主なメリットとは

企業の規模を問わず、スピードと利便性がメリットに挙げられています。成形性や仕上がり具合について、オンライン・ツールの図解が分かり易く、技術的な回答もすぐに得ることができたこと、設計に集中できたことなど開発者として感じられたメリットが共通しています。また、創業間もないベンチャー企業の場合は、条件の合う取引先を見つけることがとても困難な点が挙げられています。量産とはいってもニッチな商品で、マーケットサイズは把握しきれないわけで、生産量も一度に数百個レベルの小ロットになる。そうなるとサプライヤーを色々探してもコスト割れしてしまうこともあります。しかし、Protomold射出成形サービスは特に小ロットの個数に向いており、新規ビジネスとして小規模に開始するには最適という声が数多くありました。時間については明示した納期は確実に達成できていることが評価されていますが、品質についても満足できたとの声も多数ありました。

プロトラブズは平均3時間で解析結果の図解を含む正確なお見積りをお届けしていますが、技術的な詳細説明が充実していることと、迅速な対応スピードもメリットとして挙げられています。通常の射出成形を依頼する際のプロセスでは、見積りや製造に時間がかかる、コストが高い、設計がなかなか収束しないなどの悩みを持つお客様も多く、概算ではなく正確な見積りを短時間で得られることに価値を感じる方も多いことがわかりました。また、3D CADで設計された形状の製造性を解析した結果として、形状のどこに問題があるか、あるいはどう直せばよいのかということが図解されていることで、納得のいく形でよりスピーディーに最終形状を作ることができた、という声も多くありました。また、射出成形を利用するのは初めてだったが、画面でProtoQuoteオンライン見積りの図解を見ながら、プロトラブズのカスタマーサービスと話す過程で、射出成形によるパーツの製作と設計の相関関係について学ぶことができたという方もいらっしゃいます。

各社の製品は魅力にあふれ、インスピレーションを沸き立たせます。ぜひ堪能してください。また、自社の応用も取り上げて欲しいというご要望がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

取材と執筆については、プロフェッショナルなライター水野操様にお願いしております。水野様には2010年に初めての取材にご協力いただいて以来、お客様のビジネス的な側面に加え、設計・開発・製品化のプロセスを網羅した記事を提供いただいています。

水野操様 略歴
有限会社ニコラデザイン・アンド・テクノロジー 代表
米大学で航空工学の修士課程を修了後帰国。外資系のソフトウェア企業、コンサルティングファームなどで、主として製造業関連の業務に従事。非線形構造解析、3次元CAD、PDM(製品データ管理)等を中心に、大手自動車メーカーや家電メーカーなどでコンサルティングを担当した他、営業やプロダクトマーケティング、ビジネスディベロプメントなど事業開発関連業務も担当。現在は自社製品開発、設計外注の他、3D CADや3Dプリンターの導入支援サービス/コンサルティングを主要事業として展開中。

*) 日経ものづくりに掲載していない記事として米国XEROX社の事例を翻訳したものがあります。
一部の事例については「課題」と「解決」の構成になっていないものがあります。

ご参考:

樹脂部品設計ガイド
ProtoQuote(R)無料解析&見積り

本コラムは、プロトラブズ合同会社から毎月配信されているメールマガジン「Protomold Design Tips」より転載したものです。