こんにちは。プログラミング クラブ ネットワーク : PCN の 原です。

4月は新しいスタートを切る人が多い時期ですね。新しい学校、新しい職場などなど。こんな時は、新しくプログラミングを初めてみるにも良いタイミングです。筆箱のように、一人ひとつ自分のコンピューターを手にとって少しチャレンジしてみると楽しい扉を開けると思います。

さて、今回は前回購入方法をご紹介したIchigoJamを接続して、初めてのプログラミング体験へと進んで行きましょう。

IchigoJamに接続するものを確認

まずは、IchigoJamを家のテレビに接続してみましょう。ここでは「IchigoJam Get Started Set T」(以下、GSS)を使って、手順を紹介していきます。

「IchigoJam Get Started Set T」

ボトルを開けて中身を取り出しましょう。大まかに次の4種類のパーツに分かれます。

・IchigoJam T本体とスピーカー(黒い円筒形の小さなパーツ)
・キーボード(赤くて、ふにゃふにゃしています)
・ケーブル類(黄色い丸ピンケーブル、白いMicroUSBケーブル)
・赤い本や付属のシール

GSSにはUSB 5V アダプタが含まれていないので、次の2つを100円ショップで購入してきました。

・USBスマートフォン充電器(電池を使ったスマホ充電器と表示されているもの)
・単3電池2本

IchigoJamを使う場所にコンセントが有る場合は、写真右にあるようなUSB5Vアダプタも、もちろん大丈夫です。

手前のコンセント型のものがUSB5Vアダプタ、奥は100円ショップで購入したUSBスマートフォン充電器

IchigoJamを接続しよう

では、図にそって、順番に接続します。テレビは家にあるものを使う想定で進めます。TV選びの注意点は第2回を参照のこと。 。

IchigoJamでプログラミングをするのに必要なものと接続位置

IchigoJam本体の電源が「切」になっていることを確認します。そして、家のテレビのコンポジット端子に、GSS付属の黄色いビデオケーブルで接続します。

IchigoJam T 電源の「切」状態

テレビとIchigoJam T の接続

次に、キーボードをIchigoJamに接続します。USBコネクタは上下の向きがあるので、接続前にUSBのアイコンが上向きになっていることを確認してから差し込みましょう。覚えにくいという方は、力を無理矢理込めずに軽く差してみて、入っていかなかったらひっくり返して再トライしましょう。

キーボードの接続、テレビとIchigoJam T の接続

そして最後に、電源を接続します。電源のコネクタであるMicroUSBコネクタも同様に上下の向きがあるので、確認してから差し込みます。これは端子のかたちが真四角ではないので、穴に合うように向きを変えて差します。

これで準備は完了しました。

電源と接続

GSSにすべてを接続したところ

電源を入れよう

それでは電源を入れてみましょう。

まずはテレビの電源を入れます。そして、IchigoJamを接続した入力端子に切り替えを行います。HDDレコーダーなどを使うとき、チャンネルを地デジ以外に切り替える、あの操作です。複数ある入力の中から適切なものを選択します(どの入力を使うかはテレビによって違うのでご確認ください)。

僕のテレビは東芝製で、リモコンにある「入力切替」ボタンを押すことで入力切り替えができました。(別のSHARP製リモコンも入力切替ボタンでした)。まだIchigoJamの電源は入れてないので、真っ黒な画面が出ればOKです。

テレビ入力切替

電源スライドスイッチ「入」

車載用小型テレビを用意していいてテレビの電源ボタンが無い場合、IchigoJamの電源をいれれば自動で電源が入るタイプだと思いますので、上記のような操作は不要です。

さあ、それではIchigoJamの電源スライドスイッチを「入」側にスライドしてみましょう。画面に IchigoJam の文字が表示されれば正常です! やりましたね。

IchigoJam起動

もし、真っ黒な画面のままの場合には、もう一度接続を再確認してみましょう。僕のように電池を電源に使っている場合には、電池切れの可能性もあるかもしれません。

IchigoJamをさわろう

IchigoJamの画面が表示された後、IchigoJamは待っています。何を?それは、皆さんからの指示を、です。コンピューターは電源を入れた後、人の指示がないと勝手には動かないのですね。

IchigoJamに指示を送るにはどうしましょう?そう、目の前のキーボードを使います。とりあえずは何でもいいので、グチャグチャっと100個ぐらいキーを押してみましょうか。画面に沢山の文字が出ましたか?キーを押すと、コンピューターは画面に文字を表示してくれます。

ちょっと画面上が訳のわからないことになったと思いますので、文字を消しましょう。今回は一番簡単に消す方法「電源を切にする」でやりましょう。電源スライドスイッチを「切」にして、再度「入」にする。これで元の状態に戻りました。

このやり方、普段パソコンを使っている人はちょっとヒヤっとしたかもしれませんね。家や学校のパソコンと違って、IchigoJamではシャットダウンという操作がなく、電源をいきなり切っても壊れることはありません。ただし、電源を切るとそのとき作成途中だったプログラムは失われるので、今後の連載で保存方法なども説明しますよ。

ライトをつけよう:はじめてのプログラム

さて、ここからが本格的な始まりです。先程は文字が出てきただけでした。グチャグチャとした文字は意味を持たないので、コンピューターもそれを読んで仕事をすることができません。でも、コンピューターがわかる文字を入力してあげると、しっかり仕事をしてくれます。

では、「LED1」と入力してみましょう。入力が終わったら、キーボード右側にある「return/enter」キーを押します。そして、IchigoJam本体にある赤いライト(LED)を見てみましょう。先程まで光っていなかったのに、赤く光っていますね。

LED1と入力

LEDが光っている

これはIchigoJamに「ライトをつけて」って、お願いをしたからです。付けたのだから、消すこともできるはず。さて、消すときにはどうするといいでしょうか?入力が終わったら、またキーボード右側にある「return/enter」キーを押して下さいね。

LED0と入力すると…

LEDが消えた

うまく出来ましたか? 操作しても光ったままだったり、消えなかったりしたら、画面を見てみましょう。もし「return/enter」キーを押したあと「OK」ではなく「Syntax error」と画面に表示されていたら、文字の入力間違いがあります。コンピューターが「命令がわからないよ」と言ってますので、もう一度キーボードから慎重に文字を探して入力してください。

SyntaxError

OK

初めてのプログラムが、うまく動作しました。

■はみだしコラム:IchigoJamの誕生日
IchigoJamには誕生日があります。2014年4月1日に発表されたので、今年で3周年! 毎年誕生日にはいろんな「ウソ」の話題が流れますが、2017年は次の2つ。どちらも写真じゃなくて実物なんですよ! 1年に1度のウソをつく日に生まれたIchigoJamですが、その実力は「ホンモノ」ですのであしからず。

左から、IchigoDake(いちごだけ)、IchigoIgai(いちごいがい)

挑戦してみよう

1行ずつ入力して、[return/enter]キーを押すと、答えを表示してくれるよ。全部できたら、数字をかえて他の計算をさせてみると面白いね。

PRINT 1+2
PRINT 100-4
PRINT 20*34
PRINT 100/5

まとめ

・IchigoJam本体に、テレビ、キーボード、電源を接続する
・IchigoJamの電源を「入」にすると、テレビに IchigoJam と表示されて、人間の指示を待っている状態となる
・よくわからなくなった時に、IchigoJamの電源を「切」にして再度「入」にすれば、最初の状態に戻せる(作っていたプログラムは消えちゃう)

前回の「挑戦してみよう」の答え

Q.IchigoJamを接続するコネクタ類を、大人の人と一緒に家で探してIchigoJamに使えるか確認してみよう。
家の中で、テレビ、キーボード、電源(スマホ充電器)は探せたかな?発見できたものがあれば、IchigoJam本体と接続して、使えるか試してみよう。

著者紹介

原 秀一(はら ひでかず)
サーバー・ネットワークが得意なWebシステム系のITプロフェッショナル。福井工業高等専門学校 電子情報工学科、福井大学 情報工学科を卒業。学生時代はプログラミングから逃げ腰だったが、クラウド時代になり35歳から本格的にプログラミングを再開。IchigoJam等を用いたプログラミングを広める団体PCN(プログラミング クラブ ネットワーク)を主宰し、主にアフリカ担当としても活動中。