グラフの使い分けにも配慮し、いよいよ資料は完成!安心する主人公に、菩薩様から「最後の教え」が伝えられました。

プレゼンの最後の「仕上げ」

プレゼン資料が「文字だらけになる」ことを悩んでいた主人公。こむぎこ寺では「初対面の人々に、短時間で共感してもらえるようなスライドを作る」という姿勢を学び、相手が心地よく感じる色・かたちの使い方や、グラフの適切な使い分けについても学んできました。

こうして伝わりやすいプレゼン資料を作った主人公ですが、「本番」では自分の口で発表をしなくてはなりません。分かりやすいプレゼン資料はきっとその場を助けてくれますが、自分自身の言葉で発表してはじめて「プレゼン」が完成するのです。大企業のトップが「プレゼン」の練習を行って立ち居振る舞いや声の出し方、伝える内容まで磨き上げるのは、生の声で伝えることにとてつもない力があることを知っているからです。

とはいえ、ふつうのサラリーマンが練習のためだけに長い時間をかけるのは、なかなか難しいのが現状。ですが、「完璧な資料作りのためだけに時間を使い切り、発表はぶっつけ本番」とするのではなく、「心地よい資料づくりのポイントを押さえて、残った時間で少しでも発表の練習をしてみる」など、配分に変えてみるのがよいかと思います。資料作りのヒントについては、この連載のバックナンバーが一助になるかもしれません。

資料づくりのみならず、ついつい日本のビジネスマンは「完璧」を目指して行き詰まりがちです。プレゼンの場にはいろいろな立場、意見の人がいるもので、全員を心の底から説得しつくす、というのはあまり現実的ではありません。本連載の監修・首藤さんは、「聴衆の3/4が発表者に共感できる結果」がひとつの目標として挙げています。もっと詳しく知りたい人は、首藤さんへのインタビュー記事も併せて読んでみてください。

またどこかで「こむぎこ寺」にみなさまを誘う機会が得られますように。全5回と短い間でしたが、ご愛読ありがとうございました!(文・編集部)

首藤智之
1990年~2013年までソニーに在籍中、会社の対外プレゼンテーションのデザインディレクションを行う。現在はプレゼンテーションに使用するスライドをデザインする「ゲッコープロダクション」を設立。本連載では監修を行う。

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。現在、最新作「こむぎこをこねたもの その2」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。本連載では漫画を担当。