相手に「共感」してもらえるプレゼンのために
「こむぎ寺」でお菩薩様とこむぎこをこねたものから、プレゼンの極意を教わっている主人公。プレゼン資料を「整える」ことが大切と言われていますが、いったいどういうことなのでしょうか?
プレゼンの目的である「相手の共感」を得るには、理詰めの正しさではなく、納得できる内容であることが重要。そうした心の動きには、人間の脳の古い層の働き、動物的な脳の機能に訴えかけるのが効果的です。とはいえ、何も難しいことではなく、聞いている人が不安になったり、違和感を覚えたりしない、心地よく見られるものを提示すればいいのです。
もちろん、実際のプレゼンの場では語り口や語る内容も大切になりますが、プレゼン資料ではビジュアル面でも相手への共感を妨げないような作り方をするのが大切です。
補色は使わない
目がちかちかするような色遣いを見ると不安になるのは、動物的な脳の働きによるもの。毒キノコや毒蛇など、危ない動植物の色はそうした意味でも補色関係になっていることが多いです。目立たせようとするあまり派手さを追求すると、補色関係になったり、多くの色を使いすぎてごちゃごちゃしてしまうので、気をつけましょう。
先端は強い印象を与える
人を指さす行為はある種とても威圧的ですが、逆に注目を集める効果も高いもの。先のとがった図形をプレゼンで効果的に使えば印象的な演出になりますが、そうでない場合、無用な不安感を煽ることになります。ありがちなのが、円グラフの中央にできる三角形。特に効果を狙ったものでないのなら、中央を抜いてドーナツ型にするだけで、安定感があり見やすいものになります。
次回は、プレゼン資料によく使う「グラフ」の基本のお話です。
首藤智之
1990年~2013年までソニーに在籍中、会社の対外プレゼンテーションのデザインディレクションを行う。現在はプレゼンテーションに使用するスライドをデザインする「ゲッコープロダクション」を設立。本連載では監修を行う。Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。現在、最新作「こむぎこをこねたもの その2」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。本連載では漫画を担当。