本連載の最終回となる今週は、PowerPointで作成したスライドをPDFファイルや動画ファイル、画像ファイルなどに変換して保存する方法を紹介する。発表用のスライドをWebに公開したり、他のアプリで利用したりする場合などに活用できるので、使い方を確認しておくとよいだろう。
スライドをPDFに変換して保存
まずは、作成したスライド(プレゼンテーション)をPDFファイルに変換して保存する方法から紹介していこう。スライドを他の形式で保存する時は、「ファイル」タブを選択し、「エクスポート」の項目を選択する。
すると、以下の図のような画面が表示される。PDFファイルに変換する場合は、この画面で「PDF/XPS ドキュメントの作成」を選択し、「PDF/XPSの作成」ボタンをクリックすればよい。
続いて、以下の図のような保存画面が表示される。ここでは保存先とファイル名を指定し、PDFの最適化方法を設定する。最適化方法に「標準」を指定した場合は、標準品質の画質でPDFファイルが作成される。ファイルサイズをなるべく小さくしたい場合は、ここで「最小サイズ」を指定すればよい(少しだけ画質が劣化する)。最後に「発行」ボタンをクリックすると、スライドをPDFファイルに変換して保存することができる。
作成したPDFファイルは、PDF形式に対応するアプリで閲覧できる。以下の図は「Adobe Reader」でPDFファイルを閲覧した様子となる。もちろん、スマートフォンなどのモバイル端末でもPDFファイルを閲覧することが可能だ。
パソコン以外の環境でスライドを閲覧したり、Webにスライドを公開したりする場合の保存方法として覚えておくとよいだろう。
スライドを動画に変換して保存
スライドショーの様子を動画ファイルに変換して保存する機能も用意されている。この場合は、エクスポートの画面で「ビデオの作成」を選択すればよい。続いて、動画のサイズ(解像度)や各スライドの表示時間などを指定し、「ビデオの作成」ボタンをクリックすると、スライドを動画ファイルとして保存できる。
動画ファイルの保存形式には、MPEG-4またはWindows Mediaを指定できる。この設定は、続いて表示される保存画面で指定すればよい。
あとは、動画再生アプリを使ってスライドショーの様子を再生するだけ。各スライドに指定されている「画面切り替え」や「アニメーション」も再現される。
プレゼンテーションパックの作成
エクスポートの画面にある「プレゼンテーション パック」は、リンクされているファイルやフォントなどを含めて、ファイルを一括コピーする機能となる。スライドのデータをCD-RやDVD-Rにコピーして保管したり、取引先に渡したりする場合などに活用できるだろう。
配布資料(Word文書)に変換して保存
「スライド」と「ノート」をWord文書に変換して保存する方法も用意されている。この場合は、エクスポートの画面で「配布資料の作成」を選択し、「配布資料の作成」ボタンをクリックする。
すると、レイアウトを指定する画面が表示される。ここでは、スライドの配置方法、ノートの有無などを選択すればよい。
「OK」ボタンをクリックすると、自動的にWordが起動し、変換された文書が表示される。あとは、Wordで文書を保存するだけ。これで「スライド」と「ノート」をWord文書に変換して保存できる。
スライドショーの実行形式で保存
エクスポートの画面で「ファイルの種類の変更」を選択した場合は、画面の右側に変換可能なファイル形式が一覧表示される。
この機能を使って、スライドショー実行用のPowerPointファイルを作成することも可能だ。一覧から「PowerPoint スライドショー」を選択し、「名前を付けて保存」ボタンをクリックすると、拡張子「.ppsx」のファイル形式でスライドを保存できる。
拡張子「.ppsx」のファイルは、通常のPowerPointファイル(.pptx)と同じ見た目になるが、こちらはスライドショー専用のファイル形式となる。ファイルをダブルクリックして開くと即座にスライドショーが開始されるため、発表用のPowerPointファイルとして活用できる。
ただし、この場合は「発表者ツール」を利用できないことに注意しなければならない。各自の状況に合わせて活用するとよいだろう。
スライドを画像に変換して保存
最後に、各スライドを画像ファイルに変換して保存する方法を紹介しておこう。作成したスライドを他のアプリで利用する場合などに活用するとよい。
スライドを画像に変換する時は、エクスポートの画面で「ファイルの種類の変更」を選択し、「PNG」または「JPEG」のファイル形式を選択する。その後、「名前を付けて保存」ボタンをクリックすると、各スライドを別々の画像ファイルに保存することができる。
このように、作成したスライドを発表以外の用途に再利用することも可能だ。仕事の効率が少しでも向上するように、効果的な使い方を各自でも研究してみるとよいだろう。