今週は、図形内の文字の書式を変更したり、SmartArtのデザインを変更したりする方法を紹介する。SmartArtの見た目を整える際に必須となる作業なので、よく操作手順を確認しておく必要があるだろう。ここまでの操作手順を覚えれば、ある程度はSmartArtを自由に扱えるようになるはずだ。

図形内の文字の書式指定

図形内に入力した文字の書式を変更する時は「ホーム」タブを利用する。この操作手順は、通常の文字に書式を指定する場合と基本的に同じだ。文字をドラッグして選択し、「ホーム」タブのリボンで文字や段落の書式を指定すればよい。

図形内の文字の書式指定

ただし、同じような書式指定を何回も繰り返さなければならない場合が多く、あまり効率的とはいえない。そこで、SmartArt全体について、文字の書式を一括指定する方法も覚えておくとよい。この場合は、SmartArt内の余白をクリックしてSmartArt全体を選択し、この状態で書式指定を行う。

SmartArt全体を選択した状態で文字の書式を指定

すると、すべての図形内の文字に同じ書式を指定できる。この方法で大まかな書式を指定してから、「文字数が多い図形」の文字サイズなどを個別に調整していくと、少ない手数で文字の書式指定を完了できる。

図形内の文字を1行に収めるのが難しい場合は、複数行にわたって文字を配置しても構わない。以下の図のように区切りの悪い位置で行が送られてしまった場合は、適当な位置に改行を挿入するとよい。

文字サイズだけを調整した図形

このとき、普通に「Enter」キーを押して改行すると、以下の図のように行間が広すぎる配置になってしまう。

「Enter」キーで改行した場合

この問題を回避したい場合は、「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを押して改行すると、以下の図のように行間を詰めて改行できる。文字配置の豆知識として覚えておくと役に立つだろう。

「Shift」+「Enter」キーで改行した場合

「SmartArtのスタイル」と「色の変更」

続いては、SmartArtのデザインを変更する方法を紹介していこう。PowerPointには「SmartArtのスタイル」が用意されているため、さまざまな効果を手軽に指定することが可能だ。スタイルを使ってデザインを指定する時は、SMARTARTツールの「デザイン」タブを選択し、「SmartArtのスタイル」の「ドロップダウン」ボタンをクリックする。

「ドロップダウン」ボタン

すると、以下の図のような一覧が表示される。あとはこの中から好きなスタイルを選択するだけ。これで、SmartArt全体に立体的な装飾(効果)を施すことができる。

「SmartArtのスタイル」の一覧

「立体グラデーション」を指定した場合

各図形の色を変更したい時は「色の変更」を利用するとよい。一覧から好きな「色の組み合わせ」を選択すると、それに合わせてSmartArt全体の色を変更できる。

色の変更

ただし、「カラフル」の分類にある「色の組み合わせ」を選択しても、変化の少ない、メリハリに欠ける配色にしかならない場合もある。この機能はスライドのデザインと連動しているため、以下の図のように、同系色の色が各図形に割り当てられる場合も少なくない。

「カラフル - 全アクセント」を指定した場合

これをメリハリのある配色にするには、各図形の色を個別に指定しなければならない。SmartArtは図形(テキストボックス)の集合体で構成されているため、通常の図形と同じ手順で各図形の色を個別に指定していくことが可能だ。これについては次回の連載で詳しく紹介していこう。