前回は主に、状況や被写体に応じた「カメラの選び方」について紹介しました。
選択肢のひとつとしてスマートフォンを挙げましたが、つい先日、筆者が参加した記者会見会場においても、女性記者や広報さんの多くがスマホで撮影しているのを見て、改めてスマホ内蔵カメラの進化を実感したところです。
さて今回は、記者会見や発表会、表彰式などでの登壇者の撮影方法や、授賞式およびフォトセッションなど複数の人物を含めた写真の撮り方について簡単に説明します。
人物撮影、「一発勝負」はNG
記者会見や発表会などでの人物撮影では、「シャッターをひたすら何度も切る」のがコツです。
人が話している時の表情というのは、ほんの0.1秒のタイミングの違いで大きく変わります。目をつむっているのは論外ですが、「半目」状態だったり、口の形が歪んでいたりする写真を、多くの人が目にする媒体に掲載するのは失礼にあたるので、たくさんの写真の中から表情がいちばん良いものを選びましょう。
最近のカメラやスマホには連写機能(バーストモード)が搭載されているものが多いので、利用しない手はありません。ただし、やりすぎてストレージの空き容量不足にならないように注意しましょう。
なお、カメラに挿入するSDカードの容量ですが、「32GB」程度あればよほど長丁場のイベントでない限り、連写を繰り返しても空き容量が足りなくなることはないでしょう。ただし、いくら大容量のSDカードを使っていても、前に撮った写真がそのまま残ったままにしていると容量不足になる可能性がありますので、取材が終わったらスグにパソコン等に取り込むとともに、念のため外付けハードディスクやUSBメモリーなどにバックアップを取り、カメラのSDカードを空っぽにして次の取材に備えましょう。
人物を撮るタイミングはいつ?
登壇者がハンドマイクを持って話しているケースでは、顔の一部がマイクで隠れてしまいますので、カメラを構えたままじっくりと待ち、マイクが顔から離れた瞬間を狙って連写しましょう。会場内を移動できる場合は、マイクを持つ手の反対方向から、斜め45度ぐらいの角度で撮ると顔が隠れにくくなります。
また、演説台の卓上マイクを使って話す人を撮る場合は、できるだけ身振り手振りをしている瞬間(いわゆるろくろを回すポーズ)を狙うと、写真に臨場感が出てそれらしくなります。これは、インタビュー記事についても同様です。
フィルター(エフェクト)について
スマホで撮った写真をSNSなどに投稿する場合、見栄えを良くするためついフェルターで加工したくなりますが、そのほとんどがビンテージ調やアート調に仕上げるためのものなので、例え公式のFacebookページやTwitterアカウントであっても、公の場に公開する写真にフィルターを適用するのは控えた方がいいでしょう。
女性の顔写真の場合は、美肌系アプリでほんの少しだけ補正するのはアリかと思います。でも、やり過ぎると加工したことが見る側にも伝わってしまい、ビジネスシーンに合わないことが多いので、仕事の場では気をつけましょう。
次回は、写真撮影する側からすると悩ましい、明暗のコントラストの激しい現場での撮影方法について解説します。