前回の記事では、業務の見える化に役立つ手法と、大企業が抱える、大企業ゆえのプロセスの問題点を取り上げた。今回の記事では、事業再編や買収・統合を繰り返すことで複雑化してしまったビジネスプロセスやシステムを改善し、競争力の強化に貢献するソリューションをセミナーに先立ってご紹介しよう。

システム間の壁をなくし、業務プロセスを一本化

企業はビジネス現場において必要な情報やデータを活用するためにITシステムを利用しているが、こうしたシステムは必ずしも全て一元化されているわけではない。前編でもご紹介したとおり、部門ごと、業務ごとによって利用しているシステムが異なっているケースが大半であり、特に買収・統合などによるシステム統合は一筋縄ではいかない。システムの全面的な刷新を行うにしても、膨大な費用が必要となるからだ。

既存の投資(システム)を生かして、システムとプロセスを有機的につなぐ解決策として、ここでご紹介したいのが、SOA(サービス指向アーキテクチャー)を採用したBPMプラットフォーム「OpenText Process Suite」および同コアエンジンである「OpenText Cordys」(以下Cordys)である。

ソリューションの特長であるSOAフレームワークによって、異なるシステムやテクノロジー間のギャップを解消できるため、システムありきではなく、業務主導型のプロセスを柔軟に構築できる。たとえシステムが世界各地に乱立していたとしても、そこにあるデータを一元的に閲覧し、活用できるようになるというわけだ。従来は、こうしたシステム連携を行うためには、膨大な労力と時間が必要とされていたが、このアプローチによって開発期間が大幅に短縮されるため、必要なシステムがスピーディーに展開できるという。

分断されたプロセスをSOAフレームワークで有機的につなぐことができる

もちろん、一連の業務プロセス管理と自動化、各種ルール定義などを設定・実行するBPM本来の機能も備えている。業務活動モニター(BAM)も組み込まれており、リアルタイムで上がってくるデータと、あらかじめ設定したKPIを比較しながら、改善点を探ることができるため、状況に合わせた動的な判断や割り当てにより、プロセスのボトルネックを即座に解消し、タイムリーかつ的確な業務の流れをコントロールできる。 このほか、カスタマイズ可能なユーザーインターフェースの設計やモバイル対応などのモジュールが用意されているという。

BPM成功へのヒント~高い汎用性・拡張性が、使い方の幅を広げる

BPMは決してシステムだけで成功するものではないが、最適なシステムを活用することによって、プロセスの標準化や効率化を最大化させることができる。業務プロセスの状況把握を可能にするだけでなく、業務の継続的な改善を実行するのに必要な機能を兼ね備えたソリューションを活用すれば、現場での効率アップやミスの防止、さらにはスピーディーな経営判断にもつながってくるだろう。

企業の情報システム部門にとっても、寄せ集めのコンポーネントのみで構成されたシステムを運用するケースで発生していたような、システム間の依存状況の心配や、システムごとのインストールやアップグレードに時間と労力、追加コストの負担から解消される。システムの継続的な運用とメンテナンスの容易性が高まることは間違いない。

別の側面から見ると、業務プロセスの中で必ず発生する各種コンテンツやドキュメントの利活用にも期待できる。例えば生産プロセスであれば製品の仕様書や設計指示書、また販売プロセスにおいては契約書や申込書など、業務シーンごとにさまざまなドキュメントや関連情報が存在している。しかし、プロセスやシステムが分断されているケースでは、一定の部門や業務など限られた範囲のみの利用であったり、手作業による受け渡しが発生している。ECM(エンタープライズコンテンツ管理)と呼ばれる情報コンテンツ管理基盤とBPMソリューションを連携することでプロセスに即した情報共有が加速されるため、こうした取り組みも増え始めているようだ。

BPM活用の具体的な導入事例とその効果に加え、子会社ごとにバラバラとなっていた業務プロセスを統合し、最終的に全社共通のプロセスへ移行させてゆくための手法(シェアードプロセス)、EDI/サプライチェーンとの連携なども紹介される予定だ。

ビジネスプロセスの最適化という難題を実現するために、関心を持たれた方は、ぜひセミナーに参加して、その詳細をご確認いただきたい。