「Yahoo!ボックス」はYahoo! Japanの提供するオンラインストレージだ。ブラウザから利用するほか、PC向けのアプリとスマートフォン向けのアプリが用意されている辺りは、他のオンラインストレージサービスと共通している。特徴的なのは、Yahoo!および関連サービスに加入していると、利用できる容量が変化するなどの特典があることだろう。

Yahoo!ボックス(2015年4月現在)

無料プラン:あり
無料容量:5GB(Yahoo!プレミアム会員は50GB)
有料プラン:100GBの容量追加で月額700円
スマートフォン用公式アプリ:あり
アカウント:Yahoo!アカウント

Yahoo!ボックスは、さまざまなサービスを展開しているYahoo! Japanが提供しているだけあり、料金に関する特典が複雑なので整理しておこう。

まず、Yahoo!の一般アカウントだと5GBの無料容量を利用でき、月額410円(税込)のYahoo!プレミアム会員なら無料容量が50GBと大幅に増える。さらに、同社のブロードバンドサービス利用者の場合は、Yahoo! BB「プレミアム」プラン会員なら100GB、Yahoo! BB「スタンダードプラン」会員なら50GBが無料で利用可能だ。

加えて、スマートフォンを利用している場合、ワイモバイルの「スマホプラン」または「Pocket WiFiプラン」に加入していると30GBを無料で利用できる。また、ソフトバンクモバイルのスマートフォンを利用していて「とく放題」に加入していれば、会員特典として20GBの容量が他の無料容量に追加される。

これに、スマートフォンアプリから利用できる特定のフォルダに対し、無制限の容量を開放してくれる「容量無制限オプション」が存在するが、現在のところ、新規の申し込みを停止している。この「無制限フォルダ」内のフォルダやファイルは共有や公開ができないなど、機能に制限がある。

Yahoo!ボックスは、Yahoo! Japanの各種サービスの利用状況により、無料で使える容量が大きく変わる

ただ、Yahoo!プレミアムの登録自体はオークションを利用している関係などですでにしているという人も多いだろう。また、自宅がYahoo! BBのサービスを利用しているケースなどと合わせると、実際には50GBを無料で利用できる人も多そうだ。

Yahoo!ユーザーに親しみやすいインタフェース

ブラウザでアクセスした時の見た目は、今風のデザインではなく、Yahoo!メールなどを使っている人にとっては親しみやすい雰囲気だ。あらかじめ「共有」、「写真」、「書類」、「連携サービス」といったフォルダが用意されているが、このほかに「移行データ(Yahoo! JAPAN)」というフォルダが存在することもある。

Yahoo!メールなどと雰囲気の似た構成のブラウザ画面

Yahoo!は以前、オンラインストレージとして「Yahoo!ブリーフケース」を提供していた。さらに、画像に特化した「Yahoo!フォト」というサービスもあり、これらを統合したものが「Yahoo!ボックス」だ。そのため、過去にどちらかのサービスを利用していたアカウントでYahoo!ボックスを利用しようとすると、「移行データ(Yahoo! JAPAN)」というフォルダが作られている。中には。過去の写真などが保存されているから、チェックしておきたい。

「移行データ(Yahoo! JAPAN)」の中には、旧「Yahoo!フォト」などに保存されていたデータが格納されている

ファイルのアップロードは、ブラウザ画面へのドラッグ&ドロップではなく「アップロード」ボタンをクリックして出てきたダイアログから行う。「アップロードするファイルを選択」をクリックして、開かれた画面でファイルを1つ、または複数選択してアップロードする形式だ。アップロード中を示すバーが表示され、完全にアップロードできてからアイコンが表示されるなど、「Dropbox」などと比較すると少々もたつく感じはあるが、わかりやすい。

ファイルアップロードはダイアログからファイルを選択する方式だ

アップロードが完了してからアイコンが表示される

昔からYahoo!のサービスを利用してきてインタフェースに慣れている人や、すでにYahoo!プレミアム会員であるという人にとって使いやすいのが特徴であるため、ゼロから使い始めるというよりは、すでに持っているアカウントでそのまま使いたいユーザーに向いているサービスと言えるだろう。