Q1
「自分のやり方」を通そうとする部下に困っています。実績もないのに自分流を通そうとする部下には、どのように対処したらよいのでしょうか?
Q2
仕事の内容で修正が必要な点について指示をしていると、「だったら自分でやってください」と部下がキレて言い出すことがあって愕然とします。こんな時はどのように指導すればよいのでしょうか?
Q3
部下にある程度「任せよう」と考えて細かな指示を出さなかったら、仕事が雑でトラブルを引き起こしてしまいました。そのこと指摘すると「任せたんじゃないですか?」と逆ギレされ、本人にはまったく反省の色が見られません。私としては「それぐらいのことはできて当たり前だろう……」という感覚もあったので、私の要求と部下のスキルレベルとのギャップに悩んでいます。
A
あなたが部下指導のためにオリジナルの"指導プラン"を作成してみる、というのはいかがでしょうか。カリキュラム化し、指導の度合いを部下と共に確認する環境を自ら作っていくのです。これは、いわば"攻めの姿勢"です。
まず、日頃問題となる現象などを思い起こし、指導のプランを立てます。自動車教習所の免許の仕組みのように、取得する免許=責任のレベルに応じてカリキュラムを高度化させます。さらに、部下の指導簿を作成するとよいでしょう。
教習所では、必要な知識や心構え、技能などの習得目標が簡潔に記された教習簿が個人に用意されますが、考え方はこれと同じです。
"みきわめ"の可否も記入できるようにすることで、何を指導したのかを上司自身でも把握できるようにしていきます。指導した日付や理解度などを点数化して提示してもよいでしょう。
ちなみに教習簿では"学科"と"技能"に分かれていますが、部下の指導簿にも"A"と"B"というように大項目を設け、社会人としての基礎的な能力やコミュニケーションの仕方の類は「A」、その会社ならではのことや専門分野の指導に関しては「B」というように分類して認識させます。
これは、社会人としての「在り方」と、専門的な仕事の「やり方」「知識」の問題が混同されないようにするためです。
例えば、社会経験が不足している若い部下によく見られる傾向ですが、業務上の細かな指導をした際に、「なぜ自分ばかりがこんな面倒なことをしなければならないのか」といった態度が見え隠れすることがあります。
この場合、指導したノウハウ的な部分というのはBの分野です。しかし、物事の受け止め方や態度の部分はAになるでしょう。誰もがやりたがる部分ではないことに携わる意味、組織で仕事をするといった社会人としての考え方も理解させる必要があります。
『出典:システム開発ジャーナル Vol.8(2009年1月発刊)』
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