Q1
「自分のやり方」を通そうとする部下に困っています。実績もないのに自分流を通そうとする部下には、どのように対処したらよいのでしょうか?
Q2
仕事の内容で修正が必要な点について指示をしていると、「だったら自分でやってください」と部下がキレて言い出すことがあって愕然とします。こんな時はどのように指導すればよいのでしょうか?
Q3
部下にある程度「任せよう」と考えて細かな指示を出さなかったら、仕事が雑でトラブルを引き起こしてしまいました。そのこと指摘すると「任せたんじゃないですか?」と逆ギレされ、本人にはまったく反省の色が見られません。私としては「それぐらいのことはできて当たり前だろう……」という感覚もあったので、私の要求と部下のスキルレベルとのギャップに悩んでいます。
A
今回は、筆者が接する様々な現場から寄せられた声をご紹介しました。 「部下の考えが理解できない」という上司の嘆きは、程度の差こそあれ、多くの会社で見受けられるようです。
純粋に「管理」だけが仕事、という立場であれば気持ちに余裕を持って対処できるかもしれませんが、実際は予算管理や、自身が担当する実務に追われているリーダーが多いはずです。そんな中での不満がストレスとなっているのでしょう。
ところで、上司は自分を押し通す部下を「困った部下」とひとくくりに認識してしまいがちですが、原因やそのタイプは、以下に示したようにいくつもありそうです。
- 部下の性格的特徴によるもの
- 他の仕事の仕方への理解の不足
- 指導に対する意図の取り違い
- 上司の指導方法への不満
- 配属や仕事内容に対する潜在的不満
- 自分を否定されているという潜在的被害者意識
これらの多くは"反抗"という形で顕在化しますが、原因が多岐にわたるために、それぞれ異なる対応が求められます。立て続けに問題が出てくる部下の場合は、長期的な指導を要することもあります。
最近では、企業の総合的研修の時間が削減され、社会人としての根底を支える能力を磨く場が減っているという事情もあるようです。
いずれにせよ、せっかくの日々の指導を部下が素直に聞くことができないとしたら、それは上司と部下の双方にとっての損失です。ですから、たとえ部下に原因があったとしても、上司の「自分が一肌脱ごう」という決意が必要になるのです。
『出典:システム開発ジャーナル Vol.8(2009年1月発刊)』
本稿は原稿執筆時点での内容に基づいているため、現在の状況とは異なる場合があります。ご了承ください。