はじめに
この連載はコマンドを入力してコンピューターを操作します。ただし、基本的なスタンスとして「だいたい動けばよし」「深入りしない」とします。コマンドを入力して実行した結果、ファイルがごっそり消えてしまっても責任は持てません。また、コマンドの使い方を丁寧に説明するわけでもありません。何となくこのコマンドを入力すれば、こんな感じで動きますよ程度のものです。プログラマからすると、あまり役立たないかもしれませんが、そうでない人にとっては役立つかもしれません。 なお、使うOSはだいたいWindows 10、macOS、Linux (Ubuntu)、Raspberry Pi OSですが、きまぐれに他のOSを使うこともあります。シェルもbashかもしれませんし、zshかもしれませんし、PowerShellかもしれませんし、その時その時で気まぐれです。そこらへんご容赦下さい。特定の環境・シェルでしか動作しない場合もあります(その場合は説明時に記述)。
第一回目となる本稿では、コマンドを入力するためには必須なツールである各OSのターミナルの基本的な呼び出し方を紹介します。ターミナルにコマンドを入力することで、プログラムの起動やファイルの操作からネットワークやインターネットを使った操作まで実に多くのことが実行できます。コマンドが呪文であるならば、いわば魔法の杖のような役割を担います。
ターミナルを起動する
コマンドを入力してコンピューターを操作するには、そのコマンドを入力するプログラムが必要です。多くの場合、コマンドを入力するアプリケーションが用意されています(だいたいターミナルアプリケーション)。 OSごとに異なるので以下にざっと起動方法を載せます。
【Windows 10】
Windows 10には従来からあるコマンドプロンプトとPowerShellがあります。検索ボックスにcmdと入力するとコマンドプロンプトのアプリが表示されるのでクリックすると起動します。
検索ボックスにpowershellと入力するとWindows PowerShellのアプリが表示されるのでクリックすると起動します。
Windows Terminalの場合はスタートメニューをクリックして表示されるメニューの中から起動できます。PowerShellも同様にメニューから起動できます。
他の起動方法としてはエクスプローラーのウィンドウのアドレス欄にcmdと入力するとコマンドプロンプトが起動します。powershellと入力するとWindows PowerShellが起動します。
【macOS/OS X/MacOS X】
Macの場合はアプリケーションフォルダ内にあるユーティリティフォルダにあるターミナル.appになります。これは初期のMacOS Xから最新のmacOS Big Surまで同じです。
【Ubuntu 20 LTS (Linux)】
Ubuntu 20 LTSでGUIの場合はキーボードでCtrlとAltとTキーを押します。
他の起動方法もあります。図のアイコンをクリックして表示されるアプリケーション一覧画面上にある検索ボックスにterminalと入力します。terminalと完全に入力しなくても途中まで入力するとターミナルアプリケーションが表示されます。
他の起動方法としてデスクトップ上に表示されているフォルダアイコン上またはウィンドウ内で右ボタンをクリックして表示されるメニューから「Open in Terminal」を選択します。
なお、GUIでない場合や他のLinuxディストリビューションの場合は各自調べて対応してください。
【Raspberry Pi OS】
ラズベリーパイで動くOSの1つであるRaspberry Pi OS(旧Raspbian)でGUIの場合は画面上にあるターミナルのアイコンをクリックします。また、CtrlとAltとTキーを押してもターミナルが起動します。
他の起動方法としてデスクトップ上に表示されているフォルダアイコンの上で右ボタンをクリックして表示されるメニューから「端末で開く(L)」を選択します。
コマンドを入力できる環境が整えば準備完了です。初めてのコマンド操作で入力して不具合を起こしたくないという人にはラズベリーパイを購入して、Raspberry Pi OSを入れて、そこでトライしてみるのをおすすめします。失敗してもSDカードを複製するか、もう一度OSをSDカードに書き込めば元に戻せるからです。
著者 仲村次郎
いろいろな事に手を出してみたものの結局身につかず、とりあえず目的の事ができればいいんじゃないかみたいな感じで生きております。