はじめまして。この度「ゼロから学ぶ MySQL基礎の基礎」と題して、MySQLの勉強をはじめる方へ向けた入門記事を書くことになりましたRShibatoです。どうぞよろしくお願いいたします。
私がMySQLの勉強をはじめた2年前にはすでに、MySQLのわかりやすい入門書やWebサイトがたくさんありました。しかし、消化するのにある程度時間がかかるものがほとんどで、MySQLの全体像が見えていない初学者からすると、ハードルが高いのではないかと感じていました。
そこで本連載では、これからMySQLの勉強をはじめる方々を対象に「コードを叩く前に全体像を把握しよう!」という精神で、MySQLの基本事項について解説していきたいと思います。
MySQLとは?
MySQLとは、データベース管理システムのひとつです。ご利用のコンピュータにMySQLをインストールすることで、データベースを扱えるようになります。
データベースという名前にあまり馴染みがない方もいらっしゃるかもしれませんが、たとえば、携帯電話やスマートフォンの電話帳は、みなさんのお友達の名前、電話番号、住所などの情報が整理されたデータベースです。また、年賀状作成に欠かすことのできない住所録や、本稿のサンプルで利用するような試験結果の一覧表もデータベースであるといえます。
データベースに格納するデータを追加・修正・削除するためには、SQL言語を利用します。SQL言語については後ほど詳しく説明していきますので、まずはウォーミングアップを兼ねて、身近なツールでデータベースとの関わりも深い「表計算ソフト」についてお話していきます。
表1をご覧ください。
表1は、サンプル学園に在籍する学生の1学期の試験結果を表計算ソフト(Numbers、Googleスプレッドシート、Microsoft Excelなど)にまとめたものです。個々のデータは、firstという「シート」にまとめられており、出席番号、氏名、国語、数学、英語、合計点を「列」、出席番号、1、2、3……を「行」と呼んでいます。表計算ソフトを利用することで成績をわかりやすく整理できることは、経験的にご理解いただけるのではないかと思います。
ところで、同じ表計算ソフトに2学期の成績をまとめる場合、どうすればよいでしょうか。新しい表計算ソフトを作りますか? それとも、同じシートに書き込みますか? 方法はいろいろあるとは思いますが、最も便利な方法は、別のシートを作成することではないでしょうか。
このように、secondという別のシートを作成することで、成績をわかりやすく管理することができます。3学期の試験結果や模擬試験などの結果も、同様に処理すればよいでしょう。
これからご紹介するデータベースは、データベースと表計算ソフト、シートとテーブル、列とフィールド、行とレコードというように、表計算ソフトと対応させると全体像を容易に把握することができます。表3に頻繁に登場するデータベース用語をまとめました。言葉使いに慣れるまでは「データベース←→表計算ソフト」の対応関係を引き出せるようにしておいてください。
表3「データベース←→表計算ソフト」の対応関係
データベース | 表計算ソフト |
---|---|
テーブル | シート |
フィールド | 列 |
レコード | 行 |
試験結果を管理するために「表計算ソフトのファイルを新規作成して学期毎にシートを追加する」のと同じように、「データベースを新規作成して学期毎にテーブルを追加する」というイメージです。
次回はMySQLをインストールして、実際にデータベースを操作しながら学んでいきます。
執筆者紹介RShibatoITベンチャー企業の経営者。自社のWebサービスの開発・運営に携わりつつ、科学技術に関する書評や解説記事などの執筆活動も行っている。 |
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