今週は、前回に紹介を割愛したMSBCと、その他の学習用のリソースについて取り上げていくことにしよう。MSBCそのものは学習用リソースというわけではなく、総合的な情報提供サービスであり、その一環として開発者向けの情報提供を行っている、という位置付けになるだろうか。
MSBCとは
前回の本連載で、Tech Edのセッション資料やWebcastを視聴する際に登録が必要なサービスとして、MSBC(Microsoft Business Connection)に言及した。
これは、マイクロソフトが企業ユーザー向けに無料で提供している、会員制の情報提供サービスだ。利用に際しては、Windows Live IDを使ってサインインした上で、その情報に紐付ける形でMSBCの会員登録を行う方法をとる。
MSDNオンラインとは直接的な関係はないといえるが、前回に取り上げたTech Edセッションのように、開発者・技術者向けの情報に際して関わってくることがあるので、必要であれば会員登録しておくと良いだろう。
MSBCでは、開発だけでなく運用なども対象分野としており、企業ユーザー向けの情報発信を行っている。最新の情報を効率的に手に入れられるように、ニュースレターの配信やRSSフィードの配信を行っている点は、TechNetやMSDNと同じだ。
MSBCには、会員制サービスならではのメリットがある。それが、個々のユーザーごとにWebページの内容をカスタマイズできる点だ。こうすることで、自社の事情に合致する分野の情報だけを抜き出してまとめておけるので、「情報の山」に埋もれてしまう危険性を回避しやすくなる。
学習用のリソースいろいろ
特に開発者向けとは限定せず、マイクロソフト製品全般を対象としている学習用リソースとして、マイクロソフトのWebサイトには「Microsoft Learning」がある。マイクロソフト製品を対象とする、各種の資格試験(本連載の第5回を参照)に関する情報も掲載されている。
Microsoft Learning
http://www.microsoft.com/japan/learning/default.mspx
その中でも特に、開発者向けの情報を抜き出したページが用意されているので、MSDNオンラインとの関連性が深いコンテンツといえば、こちらになるだろう。
Microsoft Learning(開発者向け)
http://www.microsoft.com/japan/learning/developer.mspx
ここでは資格試験に関する情報だけでなく、マイクロソフト製品に関連する資格試験を自社の人材育成に取り入れた導入事例がいくつか紹介されているので、社内で教育業務を担当している方であれば、何か参考になるかもしれない。
なんにしても、資格を取るのに無手勝流で学習を進めたのでは、効率があまり良くないし、ピント外れになってしまう可能性もある。資格試験、あるいは製品やテクノロジーの分野ごとに系統立てた学習を行うのであれば、その筋の専門家が提供する学習プログラムを利用するのが早道だ。そこで登場するのが、MSU(Microsoft University)ということになる。
Microsoft University マイクロソフトユニバーシティ(MSU)
http://www.microsoft.com/japan/learning/training/msulist.mspx
MSUとは、マイクロソフト製品に関する教育事業を行っている企業についてマイクロソフトが認定を行い、公認の学習パートナー(ラーニング ソリューション パートナー、Microsoft CPLS)として各種の課程を開講するものだ。MCPなどの資格試験ごとに、対応する課程が用意されている。
学習に関する情報を一元管理
また、学習用の教材となるE-Learning・トレーニングの課程・書籍といった各種リソース、それと試験そのものについて、個人ごとに一元管理する手段として、「Microsoft Training Catalog」が用意されている。
ちょっと乱暴な言い方をすれば、学習を進めるための一種の個人用ポータルといえるだろう。「マイラーニング」を利用して、自分専用の内容にできる点が特徴だ。これについては、「ラーニング マネージャの概要と利用方法」に詳しい。
Microsoft Training Catalog
http://learning.microsoft.com/manager/catalog.aspx?brand=msdnラーニング マネージャの概要と利用方法
http://www.microsoft.com/japan/learning/learningmanager/overview.mspx
なお、「ラーニング マネージャの概要と利用方法」では「ラーニング カタログ」という用語が出てくるが、それをクリックすると「Microsoft Training Catalog」にジャンプすることでお分かりの通り、「ラーニング カタログ」と「Microsoft Training Catalog」は同義といえそうだ。