Microsoft Visual Studioに新しい仲間が加わった。それは「Visual Studio LightSwitch 2011」(以下、LightSwitch 2011)だ。新しい開発ツールが加わったのだから、当然ながら、MSDNオンラインでも関連情報の提供がスタートしている。ということで今回は、取り急ぎ、このLightSwitch 2011に関連する話をまとめてみた。
LightSwitch 2011って何?
会社の業務に使用するアプリケーションというと、フォーム画面を利用してデータベースにデータを出し入れしたり、あるいは必要なデータを検索して取り出したり、といった形のものが多いだろう。もちろん、対象となるデータの内容や項目名、フォームの設計などはそれぞれ違いがあるにしても、「フォームによる操作」とか「データベースへのアクセス」といった根幹の部分は、それなりに共通性がある。
そこで、フォームを利用して、データの入力・更新・参照・削除・検索といった操作を行う業務用アプリケーションを迅速かつ容易に開発できるツールとして登場したのがLightSwitch 2011というわけだ。まず、2011年7月27日にMSDNサブスクリプション会員向けのダウンロード提供を開始、8月1日からボリュームライセンス向けに8月5日からパッケージ版の提供を始めている。
画面デザインのテンプレートや使用頻度が高そうなコードが事前に用意されているので、ゼロからコードを記述しなくても済むのがポイント。Microsoft SQL Server、Microsoft SQL Azure、SharePointをはじめとする既存のデータソースにアクセスして情報を取り出すこともできる。
LightSwitch 2011の製品情報は、以下の場所にある。また、既存のVisual Studio 2010との比較については、Visual Studio 2010 Professionalを対象とする機能比較表がある。
Visual Studio LightSwitch 2011
http://www.microsoft.com/japan/visualstudio/lightswitchIntroduction to Visual Studio LightSwitch(英語)
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/lightswitch/gg702208Visual Studio LightSwitch 2011とVisual Studio 2010 Professionalの比較
http://www.microsoft.com/japan/visualstudio/lightswitch/lightswitch-compare
こうしてみると、LightSwitch 2011はチェックマークが付いている項目が少ないように見える。これは、LightSwitchアプリケーションの作成機能に的を絞った代わりに、容易に開発を行えるように工夫した製品という位置付けによるものだろう。
なお、LightSwitch 2011は、すでにVisual Studio 2010をセットアップしてあるコンピュータにセットアップして、Visual Studioと共存させることもできる。ただしこの場合、Visual Studio 2010iに対して事前にSP1(Service Pack 1)を適用しておく必要がある。
LightSwitch 2011の入手と関連技術情報
LightSwitch 2011は前述したように、MSDNサブスクリプション会員向けにダウンロード提供しているほか、ボリュームライセンスあるいは単体での販売も行われている。
もちろん、他のマイクロソフト製品と同様に評価版の用意があるので、まずはそれをダウンロードしてきて、手元のコンピュータにセットアップして試すこともできるようになっている。この辺は「お約束」であろう。
Microsoft Visual Studio LightSwitch 2011評価版のダウンロード
http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?familyid=34b37817-c8c6-4cd5-a077-4e78a26b7ad3&displaylang=ja-nec
このLightSwitch 2011の登場に合わせて、MSDNオンラインにもLightSwitch用のデベロッパーセンターが登場した。
LightSwitch 2011開発者向け技術情報(LightSwitchデベロッパーセンター)
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/lightswitch
アプリケーション作成手順の概要、データの操作、コードの操作など、基本的な作業に関する解説記事へのリンクは、以下の「LightSwitch を学習する」にまとめられている。
LightSwitch を学習する
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/lightswitch/ff938857
容易にアプリケーションを開発できるといっても、それは土台の話であり、細かな改善や機能の強化・拡張を図っていこうとすれば、やはり技術情報の支援は必要だ。これは、LightSwitch 2011に限らず、Access(これもフォームでデータベースを操作する製品といえる)でも同じことだろう。
だから、LightSwitch 2011でアプリケーションを開発しようとするならば、LightSwitchデベロッパーセンターは必須の参照先アイテムとなることだろう。自分でコンポーネントを開発して機能強化を図ろうとするのであれば、なおさらだ。