「初心者」「初級者」という言葉は、本当に未経験の人は「初心者」、少しやったことがあって基礎的なところぐらいはできるレベルだと「初級者」と分けて使われていることがある。もっとも、ITの世界ではそこまで細々と分けていないようだが。
閑話休題。 先週、英語版MSDNオンラインのビギナー向けコンテンツを取り上げた。その際、「この日本語版が欲しい」なんてことまで書いてしまった。生憎と、日本語版MSDNオンラインには同種のコンテンツがない。そこで、今回はあれこれ思案してみたわけだ。
コンテンツナビゲーターで誘導してもらう
件の「Beginner Developer Learning Center」に限ったことではないが、英語版のコンテンツを日本語化するには人手も労力もかかる。文章を日本語化するだけでなく、図も替えないといけないのだ。そして、日本語化のために割くことができるリソースには限りがあるから、その中で他のコンテンツと優先順を争わざるを得ない(?)事情もある。そんなこんなの事情により、英語版にいいコンテンツがあったからといって、パッと日本語化してくれといっても難しいのだ。
ただ、そこで怒ってしまったり、諦めてしまったりするのは、あまり建設的ではない。では、すでに日本語版MSDNオンラインにあるコンテンツの中で、初心者・初級者の助けになるようなコンテンツを拾い出すことで対処できないか。
過去の経験からすると、初心者とは「何がわからないかがわからない」ということが少なくないと思われる。となると、基礎の基礎から段階を追って話を進めて、「手を引きながら道を歩いて誘導する」。それで、ある程度の水準に達したところで「では、自分で頑張ってみよう」とやるのがよいのではないかと。じゃあ、MSDNオンラインがこうしたプロセス対して何か用意しているだろうか?
日本語版のMSDNオンラインには「コンテンツナビゲーター」なるものを用意しているケースがある。ビギナー向けとは違うけれど、スキルレベルに合わせて最適なコンテンツを探す手伝いはしてくれると思う。
スキルレベルに合ったコンテンツを選ぶコンテンツナビゲーター
.NET Framework
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/netframework/aa663309.aspxASP.NET
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/asp.net/aa336567.aspxSilverlight
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/silverlight/bb187401.aspxWindows
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/windows/aa904962.aspxWindows Azure Platform
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/windowsazure/dd439432.aspx
例えば、旬なところでWindows Azureについては、以下の6つのステップが用意されている。
- ステップ1 : Windows Azure Platformの概要を知る
- ステップ2 : Windows Azure Platformの解説付きサンプルを見る
- ステップ3 : ステップバイステップでWindows Azure開発を学習する
- ステップ4 : Windows Azure Platformの各テクノロジーを知る
- ステップ5 : 技術ドキュメント、リファレンスを調べる(MSDNライブラリなど)
- ステップ6 : 最新のテクノロジーについてより深く知る(MSDNマガジンなど)
知識レベル・スキルレベルに合わせて、最初から順番に進むことも、途中から始めることも可能。デベロッパーセンターについて順次、ステップ・バイ・ステップ方式のコンテンツ構成にリニューアルしている考え方と軌を一にしていると言えそうだ。
現時点で、すべてのコンテンツについてコンテンツナビゲーターが用意されているわけではないにしても、さしあたって需要が多そうな分野、優先度が高そうな分野は押さえられていると思う。
.NET Frameworkとデータベースアクセスには自習書シリーズがある
また、ある程度まで学習が進んで、「じゃあ、ここから先はしばらく、自力でやってみようか」となったところで出番がめぐってきそうな、自習書シリーズというものもある。
.NET Framework
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/netframework/gg442320.NET Framework [RightRail]
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/netframework/gg442321SQL Server 2005
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/sqlserver/cc720684.aspx.NET Framework
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/sqlserver/cc720685.aspx
需要が多そうな.NET Frameworkとデータベースアクセスが主役になっている、といえそうだ。
ちなみに、「自習書」とだけキーワード指定してコンテンツ検索をかけると、ダウンロード可能な個別の自習書が大量に出てくる。こちらは、.NET Frameworkやデータベースアクセス以外にも、さまざまな分野の自習書を拾い出すことができる。もしも、こうした「ダウンロードもの」を排除したい場合には、検索キーワードに「site:msdn.microsoft.com」の指定を付加すればOKだ。
また、書籍を参照しながら勉強したい場合は、Microsoft Pressの書籍を日本語化して刊行している日経BPのサイトのリンクを利用しよう。それをたどった先が以下になる。自習書シリーズと違って、大抵の分野はカバーされているはずだ。
MSDNプログラミングシリーズ
http://ec.nikkeibp.co.jp/nsp/series/s30.shtml
もちろん、実際にコードを書く段階になって詰まってしまった時は、本連載の第2回や第37回で取り上げたサンプルコード集の出番である。ここまで紹介したもの以外で役に立ちそうなものというと、以下の2つが挙げられるだろう。
エンジニアがおさえておきたいラーニングリソース
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/events/ff754294