サブスクライバ会員向けのプロダクトキー
MSDNサブスクライバのダウンロードで入手するソフトウェアのプロダクトキーは、専用のものとなっている。だから、市販されているパッケージ製品のプロダクトキーを、MSDNサブスクライバダウンロードで入手したソフトウェアに流用しても使えない(はずだ)。
実は、MSDNサブスクライバダウンロードでは、プロダクトキーのほか、ライセンス認証が可能な回数にも市販製品と異なる。よって、同じ名前のソフトウェアも別個のパッケージとして対応しなければならない。市販のパッケージ、PCを購入した時に添付されてきたソフトウェア、MSDNサブスクライバダウンロードで入手したソフトウェアといった具合にいろいろ入り乱れている場合は、管理をちゃんとしないと面倒なことになりそうなので注意したい。
ともあれ、MSDNサブスクライバダウンロードで入手したソフトウェアを利用するには、専用のプロダクトキーを取得しなければならない。そこで、会員別に用意される個人ページで、ダウンロードの作業とは別にプロダクトキーを取得する作業も必要になる。
その関係もあり、MSDNサブスクリプションを利用する際は、最初にWindows Live IDと自分の会員番号を紐付ける作業を行わなければならない。言い換えれば、MSDNサブスクリプションの利用にはWindows Live IDの取得が必須ということになるのだが、どのみち利用する場面があるものだから、取得しておかなければならないだろう。
新しいMSDNサブスクリプションを初めて利用する
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/subscriptions/dd364989.aspx
MSDNサブスクリプションと言語パック
ちなみに、MSDNサブスクリプション会員向けに出荷する製品の内容は、購入時に選択する「言語パック」によって違いがある。大抵は、日本語の言語パックを選択して日本語版と英語版を入手すれば足りるだろう。
しかし、全世界に向けて開発を行っている開発者であれば、それ以外の言語も必要になる可能性がある。言語によってはBiDi(Bi-Directional)、つまり字を書く方向から逆向きで、[Backspace]キーを押したら右側の字が消える、なんていう場合もあるのだ。もちろん、使用する文字や、文字の入力方法も言語によって異なる。そういったものをテストするには現物がいる。
といったところで、個人的な思い出話を1つ。
どういう事情によるものだったのか忘れたが、ヘブライ語版のWindows 95をセットアップしてみたことがある。Windows 95はウィザード形式でセットアップを行うのだが、何に面食らったかというと、そのウィザードが左右逆で、[次へ]ボタンが左、[戻る]ボタンが右を向いている。正に「鏡の国のアリス」になった気分で、「いったい、どうやってセットアップすればいいのだ」と途方に暮れた。ところがよくしたもので、既定値でフォーカスがあるボタンだけは各国語版とも共通だから、「既定値でフォーカスがあるのが[次へ]ボタンだな」といった具合に、手探りでセットアップを行った。
さらに、BiDiの言語だと文字が右から左に流れるから、[Backspace]キーを押せばカーソルの右側の文字が消える。はずなのだが、"Windows" のように英単語が混じっていると、そこだけ文字が左から右に向かって書かれるのだ! そうなると、場所によって[Backspace]キーを押した時にどちら側の文字が消えるかが違ってくるので、慣れないとトンでもないことになりそうだ。
こんな経験ができるのは、日本語・英語以外の言語パックを手に入れた場合ならではのこと。おっと、閑話休題。
MSDNサブスクリプションの購入方法
ここまで、MSDNサブスクリプションについていろいろと取り上げてきたが、最後に入手方法にを押さえておかなければならないだろう。
MSDNサブスクリプションは、マイクロソフトのWebサイトから購入申し込みを行える。ただし購入しただけでは話は終わらず、ユーザー登録を行わなければならないはずだ。
購入に関するグローバル情報
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/subscriptions/buy.aspx
実は、MSDNサブスクリプションの多くが名称に「with MSDN」とあることでおわかりの通り、「Visual StudioにMSDNサブスクリプションを付け加えたもの」という形で販売されている。例外は、組込み開発者向けの「MSDN Embedded」と、開発ツール抜き/OSのみの提供となる「MSDN Operating Systems」の2種類だ。
どうして「開発者向けプログラム」なのに「開発ツール抜き」のエディションが存在するかというと、例えばテスト専任の担当者なら開発ツールを触らないからだ。それであれば、テスト環境に使用するOSだけあれば良い。もっとも実際には「MSDN サブスクリプションの比較」にあるように、SDK(Software Development Kit)やDDK(Driver Development Kit)、MSDNオンラインコンシェルジェといったものも対象に含まれる。
なお、かつてはメディア送付に頼っていたMSDNライブラリは、今ではWebサイトにあるものを参照できる。だから、これだけならサブスクリプションを購入するまでもない。確か過去には、ライブラリ専用のサブスクリプションもあったと記憶しているが、この辺の筆者の記憶はちょっとあやふや。
実は、マイクロソフト自身のWebサイトだけが購入ルートというわけではなく、PC用のソフトウェアを扱っている家電量販店やPC関連ショップ、あるいは通信販売サイトでも、「Visual Studio ○○ with MSDN」パッケージを扱っているので購入することもできる。「ポイントを溜め込みたいので馴染みの家電量販店で購入する」ということも可能というわけだ(取り扱いがあればの話だが)。もちろん、利用に際して購入ルートの違いは何も影響しない。
なお、2年目以降の継続利用については、通常より安価な更新パッケージを利用できる。これも同様に、マイクロソフト自身あるいはその他の家電量販店や各種ショップでの購入が可能だ。うっかりして、更新なのに通常パッケージを購入してしまわないように注意したい。
MSDN サブスクリプションの比較(再掲)
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/subscriptions/subscriptionschart.aspxサブスクリプションの更新およびアップグレード
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/subscriptions/aa700834.aspx