ドッグイヤーという言葉ですら、正にドッグイヤーのごとく死語と化してしまったWebの世界だが、本連載も御多分に漏れないようだ。第18回で「Internet Explorer 9.0に備えよ」と題した記事を書いたが、その後でInternet Explorer 9.0の正式版がリリースされ、さらにInternet Explorer 10.0の話まで出てきている。ということで、最近のWeb関連のトピックスをまとめてみた。
Internet Explorer・HTML5・CSS3の関連情報
Internet Explorerのバージョンアップとともに注目しておきたいのは、やはりHTML5ということになるだろうか。現時点で、日本語版MSDNオンラインからリンクされているHTML5関連の情報提供は、英語版のコンテンツばかりのようだ。
HTML5
http://msdn.microsoft.com/en-us/ie/aa740476HTML5 Labs
http://html5labs.interoperabilitybridges.com/CSS3
http://msdn.microsoft.com/en-us/ie/gg593671Modernizr: HTML5およびCSS
http://www.alistapart.com/articles/taking-advantage-of-html5-and-css3-with-modernizr/HTML5 Canvasの変換
http://visitmix.com/Articles/Translating-CANVAS-with-HTML5
もっとも、HTML5はマイクロソフト固有のテクノロジーではないので、HTML5そのものについて知りたいのであれば、何が何でもMSDNオンラインを使わなければならないというものでもないかもしれない。
そこで注目したいのが、「Internet Explorer 9 Test Drive」だ。「Speed Demos」「HTML5 Demos」「Graphics Demos」「Browser Demos」という分類の下、さまざまなデモンストレーションや検証の手段を開発者向けに提供している。Internet Explorer 9.0に加えて、Internet Explorer 10.0のPlatform Preview版もダウンロードできる。
Internet Explorer 10 Test Drive
http://ie.microsoft.com/testdrive/
テストに関する情報としては、「Internet Explorer 9 テスト ガイド 日本語版」もある。こちらはその名の通りに日本語化されたコンテンツで、画面右側に「はじめに」「評価時に注意すべき点」「新機能や仕様に関する情報」「Appendix」といった個別項目へのリンクをまとめてある。
もちろん、Internet Explorer 9.0そのものの製品情報や、最近ではお約束と化しつつある開発チームのブログへのリンクもある。互換性問題が気になる場合は、英語版コンテンツになってしまうが「IE9 Compatibility Cookbook」が役立つかもしれない。
Internet Explorer 9テスト ガイド 日本語版
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/ie/gg317662IE9 Compatibility Cookbook
http://msdn.microsoft.com/en-us/library/ff986083(v=VS.85)
また、Internet Explorer 9.0やHTML5の活用事例集として、プロモーション目的で開設している「Beauty of the Web」がある(これも日本語版)。画面上端には「開発してみよう」というリンクがあり、そこをクリックすると、単に他者が製作した成果物を見るだけでなく、自ら開発に乗り出すために必要な情報源をまとめてある。
Beauty of the Web
http://www.beautyoftheweb.jp/
そのほか、開発者としては無視できないであろうコンテンツが、「バージョン別セキュリティ既定値一覧表」だろう。「ゾーン別」と「バージョン別」があり、さらにXPS型式ないしはPDF型式でダウンロードすることもできる。
バージョン別セキュリティ既定値一覧表
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/ie/cc844005
どんなに便利なテクノロジーであっても、既定値で利用できないようになっているのでは、いちいちユーザーに設定変更を求める必要があって煩雑だ。既定の状態で何を使えて、何を使えないのかがわかっていれば、その範囲内で開発するとか、別の回避策を講じるとかいう対処が可能になる。後になって「既定値では使えないのか !」とビックリさせられるよりマシである。
ASP.NETのテクノロジー四天王と関連技術情報
ここまではWebブラウザ側の話だが、対するWebサーバ側はどうか。こちらの主役はASP.NETということになる。初めてASP.NETの開発に取り組む方であれば、例のステップ・バイ・ステップ方式になっているASP.NETデベロッパーセンターと、そこからリンクされている学習関連情報をスタート点にするとよい。
ASP.NET開発者向け技術情報
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/asp.net/defaultASP.NETを学習する
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/asp.net/aa336567.aspx(v=VS.85)
そして、ASP.NETデベロッパーセンターでフィーチャーされているテクノロジーの四天王が、Webページ記述構文の「Razor」、MVC(Model-View-Controller)を利用するWebアプリケーション開発フレームワークの「ASP.NET MVC」、「ASP.NET AJAX」、データ駆動のWebアプリケーション開発を容易にする「動的データ(ASP.NET Dynamic Data)」だ。
それぞれの技術情報解説ページに加えて、ASP.NET RazorとASP.NET MVCについては「スキルアップ」関連のリソースにもリンクしておこう。
ASP.NET Razor
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/asp.net/hh182563
Razor構文とASP.NET Webページ
これが「スキルアップ」のコンテンツで、XPSとPDFのダウンロードが可能になっている。
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/asp.net/gg193039
ASP.NET MVC
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/asp.net/aa336581
「スキルアップ」のコンテンツには、以下の2つがある。
連載! コードで学ぶ ASP.NET MVC アプリケーション開発入門
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/asp.net/gg490787ASP.NET MVC Music Store チュートリアル
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/asp.net/gg315881.aspx(v=VS.85)
ASP.NET AJAX
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/asp.net/cc721602.aspx
こうしたテクノロジーを活用してASP.NETアプリケーションを開発・実行するには、プラットフォームとなるIIS(Internet Information Service)が必要になるが、そちらの情報はMSDNオンラインではなく、TechNetオンラインの担当となっている。TechNetオンラインのIIS TechCenterもしばらく見ない間に変貌を遂げて、「IIS 7構築の近道(5分で稼働開始)」というコンテンツが加わっていた。残念ながら、インスタントラーメンを作るよりは時間がかかるらしい。
IIS TechCenter
http://technet.microsoft.com/ja-jp/iis/default.aspx