今週も先週に引き続き、MSDNオンラインの「Code Recipe」で提供している学習(ラーニング)関連のコンテンツについて見ていこう。

ソフトウェア開発に限ったことではないが、学習支援用のリソースを駆使しながら実際に場数を踏むことが、スキルアップを順調に進めるための早道ではないかと思う。迂遠なようにも思えるが、実地の経験と体系的な知識の習得は車の両輪だ。

開発者のための連載いろいろ

「Code Recipe」のうち、サンプルコード、あるいはさまざまなテクノロジーを対象とするサンプルコードを組み合わせたコンテンツについては、すでに本連載の第2回・第3回で取り上げた。つまり、「逆引きサンプルコード」と「10行コードで学ぶ」シリーズである。

今週は、それとは別のアプローチとして「コードで学ぶ連載シリーズ」を紹介しよう。すでに連載は終了しているが、Windows Azure、Visual C# 4.0、Visual Basic 10.0について、個別のテーマごとの概要説明、サンプルコード、解説、といった内容で構成している。

「実例で学ぶアプリケーション開発」に進む前段階として、あるいは「実例で学ぶアプリケーション開発」などで行き詰まってしまったときに後戻りして特定のテクノロジーやテクニックについて再確認したい、といった場面で役立ちそうだ。

・連載! コードで学ぶWindows Azureアプリケーション開発入門
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/azure/ff631104.aspx

・連載! とことんVisual C# 4.0
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/ff357685.aspx

・連載! とことんVisual Basic 10.0
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/ff357686.aspx

「連載! コードで学ぶ○○入門」は3シリーズ、すでにいずれも完結しているが、これもサンプル集として活用できる

これらのコンテンツだけで、上記の3テーマに関するボルトやナットまで完全に理解できるというわけではないかもしれない。しかし、以前にも書いたように、何か特定の分野について「ちゃんと動くもの」を作れれば、それが次に向かって進む際の自信や動機付けにつながる。それを支援してくれるコンテンツがあるのだから、存分に活用したいものだ。

「今週のHow To」は毎週更新

そのほか、「知って役立つおすすめリソース」として、「今週のHow To」がある。その名の通りに毎週更新で、アトランダムにさまざまな分野を取り上げて、特定の目的を実現するためのコードの書き方、あるいはVisual Studioが備えている各種機能、といったところのノウハウを解説するものだ。

自分が必要としているものと符合するかどうかは場合によるが、毎週更新ということは、1年間で50件かそこらの新着記事があるということだ。当座に出番がなくても、後になって出番が巡ってくるということもあるだろう。RSSフィードで新着情報をチェックしておいて、必要に応じて活用したい。

・今週のHow To
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/ee708292.aspx

・今週のHow To(RSSフィード)
http://www.microsoft.com/japan/msdn/rss/coderecipe/feature/code_howto.xml

ちょっと上のレベルでは「MSDNマガジン」も

こうして開発者としての技量が向上してくると、さらに上を目指したくなるもの。そうなってきたときに役立ちそうなのが、「MSDNマガジン」だ。以前は、紙媒体の雑誌としてWindows向けソフトウェア開発に必要な技術情報がリリースされていたが、現在ではオンラインマガジンの体裁をとっている(しかも無料だ)。

たとえば、オペレーティングシステムや開発言語などが新しくなれば、それに関する解説記事が載る。そのほか、開発に際してのヒントや各種の技術情報、といったものが、主な記事の内容になっている。初心者にはいささか荷が重そうだが、ある程度のスキルを身につけてくると、グッと役に立つだろう。

・MSDNマガジン2010年7月号
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/magazine/ee441157.aspx

・MSDNマガジンのバックナンバー
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/magazine/ff843981.aspx

MSDNマガジン2010年7月号

一般にオンライン媒体というと、執筆からリリースまでのリードタイムが短いというメリットがある。MSDNマガジンは月刊だから、そのメリットはあまり目立たないが、腰を据えてひとつのテーマを解説するには、これぐらいのペースでちょうどいいかも知れない。

また、注目記事だけを抜き出してまとめたり、それに関する情報をRSSフィードで取得できたり、といったあたりは、オンラインマガジンならではの機能といえる。

・MSDNマガジン注目記事
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/ee708291.aspx

・MSDNマガジン注目記事のRSSフィード
http://www.microsoft.com/japan/msdn/rss/coderecipe/feature/msdn_magazine.xml

困ったときは互助の精神

とはいえ、各種の学習支援用リソース、あるいは「MSDNマガジン」が、常に自分が求める情報をタイムリーに載せてくれるかどうかは分からない。だからというわけでもないだろうが、MSDNオンラインには「MSDNフォーラム」があり、開発者同士でコミュニケーションをとったり、質問したりできる。

同じような作業をしていれば、同じような疑問や悩みやトラブルを抱えることがあるかも知れない。そんなときに、すでに問題をクリアしている開発者がいれば、何か知恵を貸してもらえるかも知れない。ただし、質問に対して答える方は、あくまでボランティアで空き時間を使って答えてくれているのだから、礼儀と感謝の念は忘れないようにしたいものだ。

・MSDNフォーラム
http://social.msdn.microsoft.com/Forums/ja-JP/categories/