今、マイクロソフトが最も力を入れている製品/テクノロジーと聞いて真っ先に連想するのはWindows Azureだろう。しかし、実はそれだけではないと実感させられるのがSilverlightデベロッパーセンターだ。
Silverlightについては本連載の第2回や第3回でも少し触れているが、Silverlightデベロッパーセンターを他のデベロッパーセンターと比較してみると「気合の入り方がワンランク上ではないか」と思えたので、改めて取り上げてみたい。
Silverlightデベロッパーセンターにしかないもの
まず、Silverlightデベロッパーセンターの所在地についておさらいだ。MSDNオンラインのトップページや製品・テクノロジー一覧、あるいはサイトマップからも直接リンクされているが。
無論、製品情報、システム要件、各種技術情報、サンプルコード・動画・関連書籍といった学習用リソースに関する情報へのリンクは揃っている。また、開発ツールのMicrosoft Expression、それと.NET RIA Servicesについては、画面上部のバーに直接リンクしてある。他のデベロッパーセンターでは、あまり見かけないパターンといえそうだ。ちなみに、「.NET RIA Servicesの概要」ではWord文書をダウンロードして、手元で参照することもできる。
Silverlightデベロッパーセンター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/silverlight/bb187358
Microsoft Expression
http://www.microsoft.com/japan/products/expression/
NET RIA Servicesの概要
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/silverlight/dd920272
ただ、それだけで終わっていないところが「Silverlightデベロッパーセンターの気合」という記事を書くきっかけになった部分だ。例えば、具体的な導入事例についてまとめた「ケーススタディ」というコンテンツへのリンクがある。
ケーススタディ
http://www.microsoft.com/japan/silverlight/caseStudy.aspx
ケーススタディ(英語)
http://silverlight.net/showcase/
URLを見るとわかるが、前者は日本マイクロソフトのWebサイトの一員であるのに対して、後者は[Silverlight.net] ( http://silverlight.net )という専用サイトの一員だ。Silverlight.netにアクセスしてみると、導入(Get Started)、学習(Learn)、技術情報、コミュニティ、フォーラムといったコンテンツに加えて「ショーケース」があり、それが上に示した「ケーススタディ(英語)」というわけだ。
わざわざ専用のWebサイトを独立設置するというのは、それだけ力を入れているということの傍証と言えるだろう。マイクロソフトあるいはSilverlightに限らず、他社のWebサイトでもよく見られるパターンだ。
また、動画も開発者向けの一般的な技術情報に加えて、関係者の生の声を伝えるコンテンツが用意されている。それが「Silverlight TV Japan」だ。ただし、これは米国のマイクロソフト本社が運営している開発者向け動画サイト「Channel 9」のコンテンツを使っているので、登場人物は英語で喋っている。
よって、注目度が高い動画のみ日本語の字幕付きで放映されている。現時点で「エピソード1」から「エピソード16」まで公開中だ。しかし、ここは1つ、ヒアリングの練習だと思って英語の音声に取り組むのも一興か!?
Silverlight TV Japan
http://www.microsoft.com/japan/powerpro/projectux/silverlighttv/default.mspx?v=8
関係者の生の言葉を動画で観られる「Silverlight TV Japan」。これはSilverlightをインストールした状態で表示しているので、視聴に際してWindows Media Playerは不要 |
この「Silverlight TV Japan」は、ユーザーエクスペリエンスポータル・PROJECT UXを構成するコンテンツの一員である。PROJECT UXにメンバー登録することで、最新情報を受け取る仕組みも用意されている。登録には Windows Live ID が必要だが、どのみちこれはMSDNオンラインを利用していると必要になることが多いので、問題はないだろう。
ちなみにこれ、Silverlightがインストールしてあれば、Windows Media Playerを使わずにWebブラウザの画面で動画を見られる。つまり、これ自体が1つのSilverlightのショーケースと言えるかもしれない。
Silverlightはサンプルが充実
そのSilverlightデベロッパーセンターでは、「スキルアップ」以下に「実例で学ぶアプリケーション開発」があるのが目をひく。
実例で学ぶアプリケーション開発 Visual Studio 2010/2008 ソリューション サンプル | MSDN
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/silverlight/hh219351
ややこしい話だが、「MSDNスキルアップセンター」とは別に、個々のデベロッパーセンターにも「スキルアップ」のリンクを用意しているケースがある。調べてみたところ、本稿執筆時点で以下のデベロッパーセンターが該当する。
.NET Frameworkデベロッパー センター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/netframework
Visual Studioデベロッパー センター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/vstudio
Visual C++デベロッパー センター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/visualc
ASP.NETデベロッパー センター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/asp.net
Silverlightデベロッパー センター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/silverlight
Internet Explorerデベロッパー センター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/ie/
Windowsデベロッパー センター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/windows/
Windows Azure Platformデベロッパー センター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/windowsazure
Windowsハードウェア デベロッパー センター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/windows/hardware/
データ アクセス デベロッパー センター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/data
「スキルアップ」のリンクをたどると、基本的には技術ドキュメント、過去のセッションの資料・ビデオなど、トレーニング関連情報、サンプルコードといったコンテンツへのリンクをまとめているのだが、Silverlightではさらに「実例で…」を用意しているところに「気合」を感じた次第。
なお、上のリストには含めていないが、「スキルアップ」ではなく「ラーニング」があるケースも存在する。コンテンツ構成からの推測だが、ステップ・バイ・ステップ方式へのリニューアルが行われていないところは「ラーニング」で残っているのかもしれない。
本連載の第11回で取り上げたように、学習関連情報をまとめたポータルとしての「MSDNスキルアップセンター」がある。
MSDNスキルアップセンター
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/bb188199.aspx
しかし、それとは別に個別のデベロッパーセンターについても、関連する学習用リソースに対するリンクを「スキルアップ」としてまとめているわけだ。行き着く先が同じでも、入口が違えば通り道が違う。「包括的に学習関連情報を知りたい場合」と「個別の製品・テクノロジーに関する学習関連情報を知りたい場合」といった具合に、入口を使い分けるとよさそうだ。