Webサイトの運営をしている人、特に企業や組織の公式サイトであれば、アクセスしてきた人の反応、あるいは記事ごとの評価は気になるものだし、会社や組織の「顔」であるだけに、できるだけ改善を図りたいと思うものだ。
筆者のような零細個人サイトでも、アクセスログを基にして記事ごとの反応の多寡を確認する、というぐらいのことはやっているの。ましてや、MSDNオンラインのような超メジャー級サイトであれば、いわずもがなであろう。
しかし、ページビューだけでは「傾向」は分かっても「生の声」にはつながらないのが難しいところ。やはり、具体的な「こういう記事が欲しい」あるいは「ここのところが使いにくい」といったフィードバックは、当事者に対してストレートに伝える方が話が早い。
実際、マイクロソフトの側でも日々、「いかにして、MSDNオンラインを使いやすく、開発者の役に立つサイトにするか」ということを考えている。そこでもっとも参考になるのは、やはり、MSDNオンラインに掲載されている情報を実際の開発作業に利用している、現場の開発者からの声だろう。
意見・要望を送るための仕組み
もちろん、何をもって「使いやすい」と判断するか、あるいは「こういう情報が欲しい」といった要望は、人によってそれぞれ違いがある。そのすべてに対応するのは難しい(というより不可能な)話であり、さまざまなフィードバックを受けて反映させた結果は、最大公約数的なところに落ち着かざるを得ない。
それでも、何も改善しないよりは遙かに好ましいと思うし、前向きな改善提案であれば耳を傾けてもらえるはずだ。そうすることでMSDNオンラインが使いやすいサイト、充実したサイトに発展していけば、それを利用する開発者も幸せになれるという構図である。
MSDNオンラインでは、すべてのコンテンツで画面上端に項目一覧を用意しているが、その中に[ご意見・ご要望]というアイテムがある。それをクリックすると、以下のWebページにアクセスできる。
お客様の声から学びました
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/cc974601.aspx
タイトルは過去形で書かれているが、実際にはこれは意見・要望を送る手段についてまとめたページだ。
具体的な手段としては、Webフォーム(MSDN・BizSpark・WebSiteSparkの3種類がある)、電話、FAXと、3種類のチャネルを用意している。これらは本来、サブスクリプション・サービスの利用者から問い合わせを受け付けるための手段なのだが、問い合わせの一種として(?)改善の要望を送ることもできそうだ。
このほか、どのコンテンツでも画面右上に記事ごとのレーティング機能があり、こちらは星を5個並べた5段階評価になっている。たとえば、「★★★☆☆」となっていれば、5段階のうち3段階ということになる(実際には黄色い星で表示している)。
画面に表示されているのは、すでにユーザーがレーティングを行った結果である。一方、自分自身の判断に基づくレーティングを送信するときには、5個並んでいる星の中から「これ」と思うものをクリックすればよい。
星をクリックすると入力フォームが出る仕組みになっている。そこにコメントを書き込んで[送信]をクリックすると、レーティングとコメントの送信を一度に行う形になる。間違って星をクリックしてしまったときには、[送信]ではなく[閉じる]をクリックすれば、何も起こらない。
実際にユーザーの声が反映された例
面白いのは、利用者の評価を受け付ける仕組みだけでなく、それが反映された事例をまとめているところだろう。他所のWebサイトでも同じようなことを行っているところがあるかも知れないが、MSDNオンラインではそれが特に目についたので、この場で紹介しておこう。これを見ることで、どこがどんな風に改善されたかが分かるだけでなく、どういった改善提案が取り上げられたかも推測できることになる。
これまでいただいた声から実現した実例
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/cc974257.aspx