今週も先週に引き続き、MSDNライブラリについて取り上げよう。

先週は「MSDNライブラリとはなんぞや」という話と、見出しをたどって目的の情報を探すアプローチについて取り上げた。今週は、それとは異なるもう一つのアプローチ、つまりMSDNライブラリの検索の話から始める。

その後で、オフラインになっていても利用可能な、ダウンロード版MSDNライブラリについて紹介することにしよう。昔からMSDNになじんでいるユーザーであれば、むしろ、こちらの方が親しみを感じるかも知れない。

MSDNライブラリへのアプローチ - その2

自分が知りたいと思っている情報が属する分野が明確なら、MSDNライブラリのトップページから見出しをたどってアクセスするアプローチが分かりやすい。

しかし、常にそういう形になるとは限らない。ときには、特定のキーワードだけが分かっていて「○○について知りたい」ということがあるだろう。プロパティやメソッドを初めとするリファレンス的な情報を知りたい場面も、どちらかというとそれと似たところがありそうだ。

そんなときには、キーワードを指定して検索をかける方が分かりやすい。Bingを初めとする検索サイトで「<キーワード> site:msdn.microsoft.com」なんていう具合に指定してMSDNライブラリのコンテンツを探す方法も考えられるが、MSDNライブラリのトップ画面にはちゃんと検索窓が設けてあるのだから、検索対象をMSDNライブラリに限定するのであれば、そちらを使用する方が手間が省ける。

MSDNライブラリの画面左上には、MSDNライブラリ専用の検索窓を用意してある。いちいち外部の検索サイトを利用しなくても済む

この検索窓、初期状態では「BingでMSDNを検索」と表示しているところからすると、検索機能を実現するためのエンジンにはBingを利用しているのだろう。もっとも、ここでキーワードを指定して検索を指示すると、その検索結果を表示する画面はMSDNライブラリ独自の画面になっており、一般的なBingの検索結果画面ではない。

まあ、そんな話は実際のところどうでも良くて、要は指定したキーワードにマッチする的確な情報さえ見つかればよいのである。すでに読者の皆さんは検索サイトを使った検索のやり方についてはなじみ深いだろうから、いちいちキーワード指定の方法についてクドクドと述べることはしない。

もしも検索の方法について確認したい、あるいは便利な検索方法がないかどうか知りたいというときには、「MSDN検索術」を調べてみよう。検索に際してのキーワード指定など、いろいろなテクニックを紹介している。また、XPSやPDFといった形式で解説文書をダウンロードすることもできる。

MSDN検索術
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/kensaku.aspx

ダウンロード可能なMSDNライブラリもある

ここまで解説してきたのは、Webブラウザを使ってアクセスするオンライン版のMSDNライブラリだ。最新の情報が加われば直ちに反映されるし、誰でも自由にアクセスできるところから、このオンライン版MSDNライブラリの利用価値は非常に高い。

ただし、ひとつだけ問題がある。インターネット接続ができないとオンライン版MSDNライブラリを見ることができない。移動体通信サービスが普及している昨今だから、「外出先ではオフライン状態になってしまう」なんていうことは滅多にないにしても、ときにはオンライン版だとアクセスできないこともあるだろう。

そういった場面に備えたものなのかどうかはともかく、MSDNオンラインの[ダウンロード]では、各種ソフトウェアに加えてMSDNライブラリのダウンロードも可能になっている。ただしこちらは、MSDNサブスクリプション会員向けのサービスとなっている点に注意したい。

MSDNサブスクライバダウンロード
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/subscriptions/downloads/default.aspx

MSDNサブスクリプション会員向けの[MSDNサブスクライバダウンロード]では、MSDNライブラリのダウンロードが可能。ISOイメージファイルをダウンロードして、それをCD-Rに焼いてからセットアップする形だ

これはCD-R用のISOイメージファイルをダウンロードして、それをCD-Rに焼き込んで(Virtual PCのようにISOイメージに直接アクセスできる環境であれば、焼く手間は省ける)セットアップする仕組みになっている。

この方法では、MSDNライブラリを構成するファイル群をローカルドライブにインストールしてしまうので、オフラインになっていてもアクセスできる利点がある。実際にそういうことをするかどうかはともかく、たとえトンネルの中を走っている新幹線の車中であっても、コードを書きながら技術情報を参照できるというわけだ。

ただし、いちいちファイルの形にしたものをISOイメージにした上で配布するわけだから、更新頻度は低い。このダウンロード版を利用する場合でも、最新の情報が欲しいときにはオンライン版を参照する方が良いだろう。

とはいえ、オンラインとオフラインのいずれでもMSDNライブラリを参照できる方が便利ではある。サブスクライバダウンロードを利用すると、開発環境や評価・テスト用の環境を整えられる利点があるから、そのために費用を投じることにも十分に意味がある。